研究課題/領域番号 |
13876069
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
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研究分担者 |
佐藤 れえ子 岩手大学, 農学部, 助教授 (80142892)
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | FIV / 抗酸化剤 / 転写因子 / アポトーシス / NFκB / 細胞死 / ゲルシフトアッセイ / 白血球 |
研究概要 |
本研究はヒトエイズのネコのホモログであるFIVにおいて、FIVのウイルス増殖の際生じる活性酸素の上昇に呼応して活性化するNFκBなどの転写因子にレドックス制御が関与するかどうか、抗酸化物質で抑制されるのか、さらには、それが、実際の疾患に対して、抗酸化物質が治療効果を増強できるのかを明らかにする目的で基礎的な検討を行った。まず、酸化ストレスによって転写因子NFκBやAP-1などの活性化のアッセイ系を確立し、抗酸化剤の効果をインビトロで評価できる確立した。モデル系として牛血管内皮細胞とMOLT-4細胞を用いて、過酸化水素処理あるいは放射線照射による転写因子NFκ-BとAP1の活性活性化のゲルシフトアッセイ法をもちいて検討した。。その結果、過酸化水素1mM処理あるいは放射線照射でスーパーシフトしたバンドがそれぞれ観察され、抗NFκB抗体あるいは抗c-Jun抗体処理で消失した。また、これら転写因子活性化に対する抗酸化剤の効果ではαフェニルブチルニトロン(PBN)が酸化ストレス誘導AP-1の活性化を抑制することが明かとなった。更に、RAWマクロファージ細胞でのLPS誘発NFκ-Bの活性化において、同じ抗酸化物質であるカテキンでは影響を受けず、LPS誘発AP-1がSAPK/JNKの活性化のレベルで抑制されることにより、活性化抑制を起こしていることを示しており、抗酸化物質の種類によってレドックス制御を受ける転写因子が異なることが示された。以上の結果から、FIVの宿主細胞内で必要な転写因子であるNFκ-BやAP-1の活性を細胞外から与えた抗酸化物質によって、抑制的に修飾できることを示しており、抗酸化剤によるウィルス増殖制御の可能性が示された。
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