研究課題/領域番号 |
13876077
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
前川 秀彰 国立感染症研究所, 放射能管理室, 室長 (60100096)
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研究分担者 |
松浦 善治 大阪大学, 微生物病研究所・エマージング感染症研究センター, 教授 (50157252)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | レトロトランスポゾン / R1Bm / R2Bm / BMC1 / LINE1 / カイコ / 逆転写酵素 / エンドヌクレアーゼ |
研究概要 |
レトロトランスポゾンは転移因子として分類されているが、キイロショウジョウバエのテロメアにおける末端保護配列という新たな機能を獲得したように、染色体の重要な構成要素として位置付けることが出来る。また、最近、これらの転移因子様配列が修復に関係している報告が出てきており、この視点からも、ゲノムへのそれらの挿入機構を解析することは、染色体そのものの成り立ちを探る上で重要な意味をもつ。 そのためにバキュロウイルスに組み込んだ効率の良い解析系を使用したカイコnon-LTR型レトロトランスポゾンBMC1の挿入機構の解析進めることにした。この解析系を利用してリボゾーマルDNAクラスターに特異的に挿入されているレトロトランスポゾンR2Bmを解析した結果、エンドヌクレアーゼと逆転写酵素のORFを一つしか持たないR2Bmは、Target Primed Revers Transcription(TPRT)反応により3'末端は挿入できるが、5'末端は挿入できなかった。そこで将来的にも利用範囲の広いgag様配列を含むORF1とエンドヌクレアーゼと逆転写酵素を含むORF2をもつBMC1を候補に選んだ。われわれが単離した配列はORF1を含まなかったので、ORF1及びORF2を含む配列をPCR法により構築し、バキュロウイルスへの組み込みを進めている。コードしている配列が確かに目的のペプチドに変換されるかを昨年検証し、エンドヌクレアーゼ・ドメインをクローン化し大腸菌中でペプチドを生成しそのアミノ酸配列をGCマス・スペクトロメーターで解析し目的のペプチドを確認した。 ORF1を持つモデルとしてリポゾーマルDNA特異的に挿入が起こるR1BmについてもPCR法でクローン化しバキュロウイルスへの組み込みを今年度行い細胞への導入を行った。結果、効率はそれほど高くないが導入が認められた。またR1Bmの導入位置については、部位特異的と考えられているが実際はそれほど固定されていなかったことから、R2Bmとは異なる機構が働いているかもしれない。この問題については、R1Bm同様にORF1を持つBMC1についても検証を行うことが必要である。BMC1についてはベクター内に構築されたが引き続き導入実験を進めている段階である。我々の構築した解析系がレトロトランスポゾンを初めRNA型転移因子様配列の導入解析に極めて有効であることが再度確認できたことから、トランスポゾンのようなDNA型転移因子の解析にも利用できると考えている。
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