研究概要 |
平成13年度に引続き,hapo(a)ウサギの雄とhLPLウサギの雌を交配し,hapo(a)/hLPLウサギの繁殖を行った。この間,hLPLウサギの繁殖成績については論文発表を行った。また,hapo(a)/hLPLウサギが得られ次第,血中の脂質(TG, HDL-C, TC),LPL活性,FFA, Lp(a)の測定を行った。血中のTGは,hLPL(+/-)ウサギでは,hLPL(-/-)ウサギにくらべ雄で約1/5に低下していた。これら血中のTGの低下にLp(a)の影響は認められなかった。また,血中のLp(a)の濃度はhapo(a)(+/-)ウサギで1.8-4.5mg/dlであった。これらLp(a)の濃度にLPLの影響は認められなかった。また,LPL活性にもLp(a)の影響は認められなかった。さらに,hapo(a)/hLPLウサギに0.3%コレステロール食を負荷して動脈硬化を惹起したが,hapo(a)(+/-)/hLPL(+/-)ウサギおよびhapo(a)(-/-)/hLPL(+/-)ウサギでは,LPL活性の増加により血中のコレステロール値の上昇が抑制され,その結果,動脈硬化病変の形成が抑制された。hapo(a)(+/-)/hLPL(-/-)ウサギおよびhapo(a)(-/-)/hLPL(-/-)ウサギでは,動脈硬化病変が惹起されたが,hapo(a)(+/-)/hLPL(-/-)ウサギがhapo(a)(-/-)/hLPL(-/-)ウサギに比べて病変面積,冠動脈狭窄率は重度であった。これらのことから,Lp(a)は動脈硬化病変の増悪に働くことが示唆されたが,hLPL(+/-)ウサギでは動脈硬化病変を誘導することができなかったため,動脈硬化病変の形成におけるLp(a)とLPLの関連については明らかではなかった。
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