研究課題/領域番号 |
13877054
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
三田 征治 北里大学, 薬学部, 助手 (90200039)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | メタロチオネイン / Concanavarin A / 感染 / 肝障害 / NF-κB / Tリンパ球 / 細胞増殖 / IL-2 |
研究概要 |
全身免疫機構に主眼をおき、メタロチオネイン(MT)の果たす役割について、MT欠損マウスを用いて検討し、以下の知見を得た。 細菌感染モデルを用いた解析 MT欠損マウスにSalmonella Typhimuriumを感染させ、生存率を比較したところ、感染後3日以内の生存率は、MT欠損マウスでは、高い傾向を示した。しかしながら、感染後7日目までの生存率には有意な差は見られなかった。これらの事から、Salmonella感染に対する生体防御には、MTは影響しない事が示唆された。 肝炎モデルを用いた解析 Concanavarin A投与による肝炎モデルにおいて、投与後8時間目の血漿中のGPT活性を測定したところ、MT欠損マウスでは、対照マウスと比べ有意に低い値を示した。又、LPSとgalactosamine併用による肝炎モデルにおいても同様に、投与後6時間目の血漿中GPT活性は、MT欠損マウスにおいて、有意に低い値を示した。血漿中IFN-γ濃度は、MT欠損マウスの方が、有意に低い値を示した。血漿中のGPT活性とIFN-γの値は、相関関係を示すことから(r=0.928)、MT欠損マウスでは、IFN-γの産生が抑制され、肝障害が軽減される事が示唆された。以上の事からMTの発現していないマウスでは、薬物によって誘導される肝炎が抑制される事が示された。 細胞内のシグナル伝達の解析 脾細胞からTリンパ球を精製し、抗CD3抗体で刺激6時間後の核蛋白中のNF-κBの転写活性を、ゲルシフトアッセイを用い測定したところ、MT欠損マウスでは、対照群と比べ、転写活性が促進されていた。また、脾細胞も用いた場合を同様に、転写活性が促進されていた。他の転写因子であるAP-1、NFATについては、MT欠損の影響は見られなかった。
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