研究課題/領域番号 |
13877056
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平柳 要 日本大学, 医学部, 助教授 (20189864)
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研究分担者 |
山口 喜久 日本大学, 医学部, 講師 (10060138)
谷島 一嘉 日本大学, 医学部, 教授 (40010029)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | クロモグラニンA / ストレス / マーカー / 唾液 |
研究概要 |
クロモグラニンA(CgA)は副腎髄質のクロマフィン顆粒中から分離される酸性の糖蛋白質であり、血中のカテコールアミン類の分泌を反映することから、交感神経-副腎髄質(SAM)系の活動を示すマーカーの一つと考えられている。本研究は、唾液中のCgAがメンタルストレスのマーカーとして有用かどうか、まず日内変動や性差などの基本的特性および実場面でのメンタルストレス評価に利用できるかどうかについて検討した。CgAの基本的特性は健常若年男女各10名について、午前9時、午後2時、午後7時において、唾液収集器(サリベット)を用いて唾液採取を行い、EIA法による定量を行った。また、高圧飽和潜水実験において、被験者6名を対象に、唾液CgAと血中カテコールアミンの同時測定を行い、その定量結果を比較した。唾液の出にくい被験者では、蛋白補正をする必要があるため、Bradford色素結合法に基づいた総蛋白定量により、蛋白補正後の唾液CgAも求めた。唾液CgAは補正の有無にかかわらず、特に性差を認めなかったが、弱い日内変動を認めた。また、実際の場面でのメンタルストレス評価については、血中ノルエピネフリン濃度と類似した変動を示すことが明らかになった。しかし、唾液であるが故、血中ノルエピネフリンほどメンタルストレスに対する感受性は高くなかった。しかし、唾液中CgAは血中ないし唾液中のコルチゾール(ピーク20分前後、半減期70分前後)に比べて応答性が速く、血中カテコールアミン(半減期2分前後)のように侵襲性もないため、今後、比較的急性期のメンタルストレスのマーカーとして利用できる可能性が高いと考えられた。なお、唾液CgAの定量に関して、同時再現性がCV(変動係数)値で10%前後、日差再現性が13%前後である。今後、この唾液CgAがメンタルストレスマーカーとして利用できるように、さらなる研究を進めて行きたいと考えている。
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