研究課題/領域番号 |
13877083
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
塩見 一剛 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40305082)
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研究分担者 |
寒川 賢治 国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)
中里 雅光 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (10180267)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | グレリン / ニューロメジンU / 摂食調節 / 視床下部 / エネルギー代謝 / 脳腸ペプチド / 肥満 |
研究概要 |
【1】オーファン受容体であった成長ホルモン分泌促進因子受容体の内因性リガンドとして、ヒトとラットの胃からグレリンを発見し、その細胞局在を示した。グレリンは、脳内では視床下部弓状核に産生ニューロンが存在する。【2】グレリンは強力な成長ホルモン分泌活性に加え、脂肪蓄積、摂食亢進や体重増加、消化管機能調節などエネルギー代謝調節に重要な作用を持つ。グレリンは視床下部内で、摂食亢進に機能しているneuropeptide Y系やAgRP系を活性化して、摂食亢進作用を発現する。さらにグレリンは脂肪細胞から分泌される摂食抑制ホルモン レプチンと脳内で拮抗的に作用している。【3】ヒトと多くの哺乳類におけるグレリン産生細胞の形態的特徴を詳細に解析した。グレリン細胞は、既知の消化管ホルモン産生細胞とは異なる新たな内分泌細胞で、胃で2番目に多い内分泌細胞であることを報告した。グレリン分泌顆粒は基底膜側に存在し、グレリンは血管内に分泌される。【4】グレリンは膵α細胞でグルカゴンと共存している。膵β細胞にはグレリン受容体が存在し、グレリンはCa^<2+>系を介してβ細胞からのインスリン分泌を促進する。【5】グレリンの産生と分泌は、絶食やインスリンおよびレプチン投与で促進され、摂食やグルコース負荷で抑制された。【6】ヒトとラットの定量系を開発した。ヒト血漿グレリン濃度は体格比(BMI)と逆相関し、神経性食思不振症のようなやせで高く、肥満者で低い。またヒトでの概日リズムの研究により、グレリンが各食前に増加し、末梢から脳へ空腹情報を伝える液性因子である可能性を指摘した。【7】グレリン投与により延髄の迷走神経運動路核が活性化され、副交感神経である迷走神経遠心性線維を介して、胃酸分泌や消化管運動が亢進される。【8】グレリンは脳室内投与によりGHRH系を活性化して、成長ホルモンの産生と分泌を促進する。オーファン受容体GPR66の内在性リガンドがニューロメジンUであることを示した。ニューロメジンUの脳内分布と摂食抑制作用およびエネルギー代謝亢進作用を明らかにした。ニューロメジンUの脳室内投与によりストレス反応が惹起された。【9】ニューロメジンUはCRHニューロンを活性化し、ニューロメジンUのストレス反応は、CRHの拮抗物質やCRHノックアウトマウスでは消失することから、CRHを介して作動することを示した。ニューロメジンは胃酸分泌と胃運動を抑制した。またオキシトシンとバゾプレシンニューロンを活性化し、これらのニューロンからのホルモン分泌を促進することも明らかにした。
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