研究課題/領域番号 |
13877086
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
長沼 誠 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00265810)
|
研究分担者 |
日比 紀文 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
新井 潤 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30306683)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | TPMT遺伝子多型 / 炎症性腸疾患 / 免疫抑制剤 |
研究概要 |
(目的)我々の研究室でははこれまでに6-MP少量投与(30mg/日)を炎症性腸疾患の難治例、ステロイド依存例、瘻孔例などに投与を行い、その有効性を報告してきた。しかし骨髄抑制などの副作用によりその投与を中止せざるを得ない症例も存在する。6-MPを不活化する酵素Thiopurine S-Methyltransferase(TPMT)の遺伝子の多型性が酵素活性と密接に関連していることが知られている。今回我々は日本人6-MP投与症例における、TPMT遺伝子多型性と治療効果、副作用の発現との関連について検討した。(方法)炎症性腸疾患患者に対し6-MPが投与された139例(潰瘍性大腸炎64例、クローン病75例)中投与患者のgenomic DNAを用いて、PCR-RFLP法によりTPMT遺伝子多型性を調べ、治療効果、副作用(特に骨髄抑制)との関連について検討した。(結果)1)骨髄抑制(+)の13例中7例54%で遺伝子多型が認められたが、一方骨髄抑制以外の副作用の7例では多型は認められず、副作用がなかった45例中でも1例のみで1/3Cの多型が認められ。また健常人136例中2例、1%で1/3Cの多型が認められた。2)骨髄抑制13例中多型があった症例7例中5例で白血球数が2000以下になったのに対し、多型がなかった6例では2000以下になった症例はなかった。6MPが投与されてから骨髄抑制が起こるまでの期間は多型があった群では全例6ケ月以内に起こっていた。(結論)今回の検討よりTPMT遺伝子多型と6-MP投与後の骨髄抑制や治療効果が密接に関連していることが示され、TPMT遺伝子多型の測定により、炎症性腸疾患患者個々に対する免疫抑制剤の量の設定が可能になることが示唆された。
|