研究課題/領域番号 |
13877098
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
神山 圭介 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30296553)
|
研究分担者 |
新倉 貴子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10301491)
松岡 正明 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70222297)
西本 征央 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80180652)
松田 修二 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70296721)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | アルツハイマー病 / 遺伝子ターゲティング / APP / V642I点変異 / Cre-loxP / ノックイン / 疾患モデルマウス |
研究概要 |
我々が作出した家族性アルツハイマー病モデルマウス、即ち遺伝子ターゲティング技術によりES細胞ゲノム上のAPP(amyloid precursor protein)遺伝子にV642I点変異を導入し、Cre-loxP選択的遺伝子組み換えシステムによって下流イントロン内の薬剤選択カセットを除去して作成したV642I型APP変異ES細胞クローン由来のV642I-APPノックインマウスと、一方これと全く同様の手技を経ながら家族性アルツハイマー病型変異を導入せずに作出したマウス(V642V-APPノックインマウス)、および野生型対照群マウスの3種の動物を用いて、APPのV642I変異に伴う脳での発現遺伝子レベルでの差異検出を3つの手法(cDNAアレイ法、cDNAサブトラクション法およびディファレンシャル・デイスプレイ法)により試みた。交配実験の結果、V642I-APPマウスのホモ変異型は野生型およびヘテロ変異型に比べて若干出生率の低下がみられたものの、外見上特に明らかな異常を伴わずに産仔が得られ、成長後は正常に交配可能であることが複数の世代において確認された。これは対照群となるV642V-APPマウスにおいても同様であった。従って本研究においては、遺伝子背景の均一化による偽陽性遺伝子の検出阻止(特異性の向上)よりも、発現差異遺伝子の検出力向上を重視し、試料として用いる脳mRNAはV642I-APPマウス、V642V-APPマウスともF2世代のホモ変異型個体を用いることとした。また個体間の発現遺伝子プロファイルの変動を相殺することを目的に、それぞれ3腹より得られた同一遺伝子型・同一週令の個体各6〜8匹分を選び、それぞれより独立に抽出した脳mRNAを等量ずつプールして作成したサンプルを用いて解析を行った。その結果、V642V-APPマウスは野生型対照群との間で発現に顕著な差異を認める遺伝子は検出されなかったのに対し、V642I-APPマウスは対V642V-APPマウスおよび対野生型マウスのいずれの比較においても、差異が有意と考えられる遺伝子群が各手法によって検出された。現在、それら各遺伝子について別個体によるプール化サンプルにおける再現性、およびC57BL/6Jマウスへの戻し交配(遺伝子背景の均一化)による差異の保存について、確認と解析を進めている。
|