紫外線照射により、IL-4、IL-10の産生量は線量依存性に増加すること、紫外線照射したマウスに抗IL-4抗体や抗IL-10抗体を腹腔内注射することで遅延型の過敏反応の抑制が阻止されることが知られている。一方、PGE_<-2>を腹腔内注射すると血清中のIL-4、IL-10が上昇することcox-2インヒビターをUV照射したマウスに処理すると血清中のIL-10のレベルが減少することなどからUV→PGE_2産生→IL-10産生→免疫反応の抑制のpathwayが示唆されている。プロスタグランディンE_2(PGE_2)は、細胞外からの様々な刺激に応じてアラキドン酸を基質にしてシクロオキシゲナーゼ系で産生される生理活性物質の1つで、対応する受容体には4つのサブタイプ(EP_1、EP_2、EP_3、EP_4)が存在する。昨年度は紫外線による遅延型過敏反応の抑制反応に重要な役割を演じていると考えられているIL-10の発現を、4種類のPGE_2レセプター(EP_1、EP_2、EP_3、EP_4)ノックアウトマウスについて、in vivoでUVB5kJ/m^2照射後1日後に、皮膚を採取して免疫組織化学的手法により野生型マウスと比較した。EP_2、EP_4ノックアウトマウスで野生型と比較して大きな差はなかったが、EP_1ノックアウトマウスでは野生型に比して明らかにIL1-10の発現が低く、PGE_2産生→IL-10産生→免疫反応の抑制のpathwayがEP_1レセプターを介して作用することが示唆された。本年度は接触過敏反応の紫外線照射による抑制が各々のノックアウトマウスでどうなるかをみたところ、EP_4KOマウスでのみ抑制反応が見られた。今後CHSに関与するサイトカインの発現などについて調べ、それがどのような分子が機構で行われているかを検討したい。
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