研究課題/領域番号 |
13877134
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
安西 秀美 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90276345)
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研究分担者 |
谷川 瑛子 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00203117)
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90212563)
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
小林 誠一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90286055)
小林 昌和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40286547)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 自己免疫 / 自己抗体 / カドヘリン / エピトープ / 水疱症 / ELISA / 天疱瘡 / デスモグレイン |
研究概要 |
本研究の目的は、尋常性天疱瘡(PV)、落葉状天疱瘡(PF)、腫瘍随伴性天疱瘡(PNP)における天疱瘡抗原デスモグレイン1(Dsg1)およびデスモグレイン3(Dsg3)の三次元エピトープを解析し、水疱形成を誘導する病的自己抗体の結合するエピトープを解析することにある。Dsg3およびDsg1の分子間で種々の領域を持ったswapping分子をバキュロウイルス発現系にて作成し、競合的ELISA法にて三次元エピトープの解析を行った。昨年度の解析により、PV、及びPFでは、Dsg3およびDsg1の主要な3次元エピトープはそれぞれN末側アミノ酸1-161に局在することが明らかにされた。本年度は、PNPにおけるエピトープ解析をしたところ、Dsg3のN末側アミノ酸1-161により多くの自己抗体が反応する傾向はあるものの、細胞外領域全長にわたり抗体が反応する傾向が認められた。PNPでは、Dsg3に対してのみならず、細胞内蛋白である複数のプラキン分子に対する抗体も認めることから、分子間だけでなく、分子内においてもよりheterogeneousな自己免疫反応が認められ、PNPは、PV、PFと自己抗体産生機序に違いがあることが示唆された。さらに、天疱瘡モデルマウスにおけるDsg3に対するエピトープ解析も施行した。モデルマウスでは、ヒト疾患と異なり、Dsg3、Dsg1分子間でより相同性の低いEC4-5の領域により抗体産生が認められた。興味深いことに、モデルマウスから作成されたモノクローナル抗体の中で、明らかに疾患誘導性を示すものは、N末の細胞間接着に重要な機能を示す領域にエピトープを認めた。これらの結果は、天疱瘡における水疱形成の分子メカニズムを解明する上で重要な知見を提供する。
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