研究課題/領域番号 |
13877152
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
尾崎 紀夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40281480)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | serotonin receptor / serotonin / signal transduction / antipsychotic drug / anxiolytic drug / antidepressant / LSD / 5-HT / 受容体 / 薬物反応性 / アストロサイト |
研究概要 |
(1)セロトニン(5-HT)5A受容体に親和性を持つ、内因性物質同定のため、従来の報告の10倍以上に、5-HT5A受容体を高密度で発現させたC6グリオーマ細胞株を作成し、125I-LSDを用いて、5-HT5A受容体に対する代表的5-HT系アゴニストおよび5-HT系向精神薬の親和性を検討した。 !代表的な5-HT系アゴニストの親和性:5-HT5A受容体はLSDへの親和性は非常に高い(nMオーダー)が、5-HTへの親和性(Ki値)が約1μMと他の5-HT受容体サブタイプの5-HT親和性が1-10nMであるのと比較してかなり低かった。その他の5-HT系アゴニストにおいては、5-CTのKi値が100nMオーダーであった以外はほとんど親和性がなかった。すでに文献で報告されている各種5-HT受容体サブタイプに親和性を持つ内因性ペプチドも5-HT5A受容体への親和性を有していなかった。すなわち、5-HT5A受容体には他の内因性の伝達物質が存在する可能性を支持する結果であった。 "種々の5-HT作動薬の5-HT5A受容体への親和性を測定した。その結果、5-HT5A受容体は5-HT系抗不安薬(AP521)に高い親和性、不定型抗精神病薬(zotepin)および4環系抗うつ薬(mianserin)に対して比較的高い親和性を示した。(論文投稿中) (2)5-HT5A受容体を発現させたC6グリオーマ細胞株における5-HT-5A受容体を介した情報伝達系を検討した(Noda et al., J. Neurochem. 2003 ; 84 : 222-232)。その結果、Carsonら(Glia 1996 ; 17 : 317-326)5-HT5A受容体はアストロサイトに選択的に発現していると報告しているが、むしろ、脳の神経細胞に特異的に存在している可能性が示唆された。 以上、5-HT5A受容体に選択的に作用する薬物は、脳にのみに作用する向精神薬となる可能性がある。現在、5-HT5A受容体に親和性を持つ内因性物質同定を行っている。
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