研究課題/領域番号 |
13877162
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
北川 誠一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50133278)
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研究分担者 |
鈴木 賢一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20305618)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 好中球 / アポトーシス / 慢性好中球性白血病 / 慢性骨髄性白血病 / G-CSF / cIAP2 / JAK2 / STAT3 / cIAP / GM-CSF / AG490 |
研究概要 |
アポトーシス阻害因子であるinhibitor of apoptosis(IAP)ファミリーは、バキュロウィルスが感染した昆虫細胞の不死化因子として発見された。ヒトIAPファミリーにはcIAP1(cenllar IAP1)、cIAP2、XIAP(X-linked IAP)、NAIP(neuronal apoptosis inhibitor protein)及びsurvivinが存在し、腫瘍化との関連も指摘されている。本研究においては、ヒト好中球におけるIAPファミリーの発現とアポトーシス制御におけるその役割を解析した。ヒト好中球には、cIAP1、cIAP2及びXIAP mRNAの発現が認められた。これらの分子のうち、cIAP2の発現が顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)刺激により特異的に誘導され、GM-CSFによっては誘導されなかった。cIAP2 mRNAの発現増加は、G-CSF刺激30分後にすでに認められ、cIAP2蛋白質の増加は1時間後に認められた。cIAP2蛋白質の増加は、G-CSFの投与を受けている健常人ドナーから得られた末梢血好中球でも認められた。G-CSF刺激によるcIAP2 mRNA及び蛋白質の発現増加、STAT3のリン酸化及び坑アポトーシス作用は共にAG490(JAK2阻害剤)により抑制された。慢性好中球性白血病患者から得られた成熟好中球においては、cIAP2 mRNAの過剰発現が認められ、好中球の生存も著しく延長していた。一方、慢性骨髄性白血病患者から得られた成熟好中球ではcIAP2 mRNAの過剰発現は認められず、好中球の生存も正常であった。これらの結果は、G-CSFがJAK2-STAT3を介してcIAP2を特異的に誘導することにより抗アポトーシス作用を示し、また、慢性好中球性白血病においては、cIAP2の過剰発現が好中球数の増加と白血病化に関与していることを示唆している。
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