研究課題/領域番号 |
13877239
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
清水 富永 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (40283270)
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研究分担者 |
二階堂 敏雄 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50180568)
高岡 邦夫 信州大学, 医学部, 教授 (30112048)
五明 広樹 信州大学, 医学部, 助手 (70311694)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 電気化学療法 / electrochemotherapy / drug delivery system / 抗腫瘍剤 / 動脈内投与 / 電極 / 骨軟部腫瘍 |
研究概要 |
1.平成13年度までに、表在性の腫瘍に対する電気化学療法の抗腫瘍効果を確認した。マウス背部皮下に移植した腫瘍に抗腫瘍剤を腹腔内投与後、表面電極による電気刺激治療を3回行なうことにより腫瘍が消失した。 2.平成14年度は、抗腫瘍剤の局所注入が困難な深在性の腫瘍に対する経動脈的電気化学療法の効果を確認するために、まず坦癌家兎を作製した。日本白色家兎の大腿四頭筋内にVX3腫瘍小細胞塊を移植して、3週後に実験に供するに十分な腫瘍塊を作製できた。この坦癌家兎の腫瘍は鶏卵大で、大腿動脈によって栄養されていた。 3.次に経動脈電気化学療法に使用するための、先端に電極のついた動脈留置カテーテルを作製した。 4.四頭筋内坦癌家兎を以下の群に分けて殺腫瘍効果を生物学的・病理学的に検討した。:(1群)経静脈的にメソトレキセートを投与後、腫瘍をはさんだ皮膚に設置した電極で電気化学療法を行なう、(2群)腫瘍の栄養血管から経動脈的にメソトレキセートを投与するだけ、(3群)経動脈的にメソトレキセートを投与後、電極付き動脈内カテーテルと皮膚間に電気化学療法を行なう群。 5.経動脈的電気化学療法を行なった(3群)では、腫瘍細胞の壊死とそれに引き続く肉芽形成がみられたが、この効果は他の群に比較して明らかに優れていた。皮膚においた2本の電極による電気刺激(2群)では、電極間の抵抗値が高くその効果が十分でなかったためと考えられる。 6.腫瘍の栄養血管(動脈)に抗腫瘍剤を投与により腫瘍局所の薬物濃度を上げ、さらに血管内留置電極による電気刺激により、効率のよい電気化学療法が行なえた。これは表在性の腫瘍のように腫瘍内に抗腫瘍剤を局注できない深在性の肉腫に対して、有効な治療となりうる。
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