研究概要 |
1)光ファイバー内蔵カテーテル用の光供給・光受容増幅装置の作成 医療用光ファイバー内蔵カテーテルを介して,効率よく血液内に任意の波長の光を送り,その反射光を受光できる装置を作成した。光源には浜松フォトニクス社製キセノンショートアークランプを使用し220nmから2000nmまでの広い帯域の波長を安定して供給できるようにした。レンズで集光後,バンドパスフィルタを通して任意の波長を選択するが,本装置ではマイクロコンピュータで8枚の可動式バンドパスフィルタを制御し,任意のタイミングで時分割式に最大8波長の光を送光できるようにした。バンドパスフィルタを通過した光は,カテーテルの光ファイバーに効率よく集光される。アボット社製光ファイバー内蔵カテーテルのカプラと精密に結合できるよう本装置の接続部を作成した。カテーテル内の光ファイバーで血液中に供給された光の反射光を,受光側光ファイバーを介して本装置の検出部に導く。反射光の波長の選択も,コンピュータ制御の8枚の可動式バンドパスフぃルタで行う。選択された信号光は,浜松フォトニクス社製フォトダイオードS-6024で電流に変換され専用増幅装置(C5460)にて演算回路で処理できる0-1Vの電圧まで増幅される。本装置は任意の8波長の光を血液に供給し,その波長の吸収または蛍光を時分割式に検出できるので,複数の血液内物質濃度の比率を光ファイバー内蔵カテーテルを使用して求めることが可能になった。 2)インドシアニングリーンの血中濃度測定 632nmと800nmの2波長の光を上述の装置より試験管内の血液に送光し,反射光のエネルギーを測定した。インドシアニングリーン濃度により2波長の反射光強度の比率が変化することが明らかとなった。
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