研究課題/領域番号 |
13877276
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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研究分担者 |
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
松田 貴雄 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10304825)
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
有馬 隆博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | HDAC / p21CDKインヒビター / 細胞老化 / 癌分子標的療法 / マイクロアレイ / pRb / 細胞外マトリックス |
研究概要 |
Sodium Butyrate(NaB)は食物繊維の腸内消化過程で産生され、ヒストン脱アセチル化(HDAC)阻害作用を有する。我々は様々な癌細胞においてNaBが誘導するGO/G1期停止と細胞老化誘導は異なる分子機構により制御されることを明らかにした。NaBが誘導するGO/G1期停止はpRb依存性に制御されていた。一方pRb蛋白が不活化されているHPV陽性子宮頚癌をNaBで処理するとGO/G1期停止と共にG2/M期への細胞の集積を認めた。さらに細胞老化も顕著に誘導されていた。このため本研究ではマイクロアレイ法を用い(A)NaBにより発現変化する遺伝子群の同定、(B)p21依存性に細胞老化誘導に機能する分子の同定を行った。NaB処理により、子宮体癌及び卵巣癌細胞における細胞周期関連蛋白(サイクリンA、サイクリンB1、cdc2など)の発現は抑制された。一方、細胞外マトリックス及びそのリセプターはNaBに反応し、顕著に発現を亢進した。特にファイブロネクチン1、PAI-1、MMP-1、MMP-2、MMP3及びMMP10の発現は顕著に誘導された。NaBによる遺伝子発現変化プロファイルをp21強制発現型(Chang et a1 2000)と比較すると、発現抑制あるいは亢進する遺伝子群は概ね共通であった。細胞外マトリックス及びそのリセプター発現はヒト老化に関連する様々な病態で亢進するため、pRb非依存性p21-細胞外マトリックス伝達路の存在が示唆された。今後、本シグナル伝達の同定及び分子機構について解析する予定である。
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