研究課題/領域番号 |
13877310
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
米田 俊之 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (80142313)
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研究分担者 |
平賀 徹 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (70322170)
西村 理行 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (60294112)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 破骨細胞 / NaPi / NFAT1 / c-JUN / カルシニューリン / JNK / c-Jun |
研究概要 |
1.細胞内カルシウムによる転写因子NFAT1の活性化 ウエスタンブロティングの結果、転写因子NFAT1が破骨細胞および前駆破骨細胞に発現していることが示された。そこで骨吸収時における破骨細胞内でのカルシウムリン代謝の変動が及ぼす破骨細胞の分化および機能への影響を検討するために細胞内カルシウムのNFAT1シグナルへの関与を検討した。破骨細胞前駆細胞株RAW-264細胞に、TPAおよびカルシウムイオノファーを作用させ細胞内カルシウムを上昇させると、NFAT1の転写活性が促進された。また、この細胞内カルシウムの変動によりNFAT1が核内に移行することが確認された。 2.破骨細胞分化および機能発現におけるNFAT-1の役割 NFAT1の選択的阻害剤であるサイクロスポリンを破骨細胞あるいはRAW264細胞に作用させると、破骨細胞性骨吸収活性およびTRAP陽性破骨細胞様細胞への分化が抑倒された。さらにNFAT1とその制御キナーゼであるカルシニューリンとの結合を選択的に阻害するペプチドを過剰発現させると破骨細胞分化が著しく抑制された。さらにDominant-negative変異体NFAT-1を作製し、アデノウイルスを用いてRAW264細胞に過剰発現させた。その結果、RANKLに誘導される破骨細胞分化誘導が有意に抑制された。 3.NFAT1による破骨細胞分化の誘導 破骨細胞の分化におけるNFAT1の関与を検討するために、NFAT1をアデノウイルスベクターに組み込み、NFAT1アデノウイルスを作成した。NFAT1アデノウイルスをRAW264細胞に導入すると、TRAP陽性の多核破骨細胞様細胞の分化が誘導された。 従って、細胞内カルシウムの変動は、NFAT1の機能を制御し、それが活性化された場合、破骨細胞分化を促進することが示された。
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