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DNA障害時に急速に分解するタンパク質群の役割

研究課題

研究課題/領域番号 13877374
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 生物系薬学
研究機関広島大学

研究代表者

井出 利憲  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60012746)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードプロテオーム / DNA障害 / G1チェックポイント / 細胞老化 / タンパク質分解 / プロテアソーム
研究概要

DNA傷害という現象から、DNA合成開始の抑制あるいは修復系の活性化と言う現象の間を結ぶシグナル伝達機構は、未知部分だらけで線がつながっていない。SV40のT抗原でトランスフォームしたヒト線維芽細胞にDNA傷害を与えた後ウエスタンブロットしたところ、T抗原は速やかに消失することが分かった。半減期は通常10時間程度であるが、エトポシドなどの処理で2時間に短縮していた。この分解促進は、プロテアソーム阻害剤で阻害された。DNA損傷の後にT抗原が急速に分解する事の生物学的な意味は不明であるが、DNA損傷後には、いくつかの細胞タンパク質の急速な分解が起きる事が必要で、それがT抗原にも影響したのではないかと考えた。そこで、エトポシド処理後6時間および24時間の細胞タンパク質を精密二次元電気泳動で解析したところ、増加するタンパク質スポットは多かったが、減少するスポットは少ししかなかった。正常繊維芽細胞とT抗原トランスフォーマントで5つずつのスポットが減少していたが、両細胞で共通なのは、このうち3スポットであった。他方、染色体末端のテロメアDNA短縮によって細胞老化(増殖停止)が起きるが、DNA障害時に速やかに消失するスポット群の3つのうちの2つは、細胞老化の際に消失するものであることが分かった。つまり、これらの共通スポットは、何らかのDNAの異状を細胞増殖停止に導く間の経路で関与していることが予想される。更に興味深いことは、これらのふたつのタンパク質スポットの消失が、タンパク質分解酵素複合体であるプロテアソームの阻害剤によって阻害されることである。これら2つのタンパク質スポットは、DNA損傷および細胞老化の際に、プロテアソームによって分解されて量が低下するようなタンパク質であると考えられる。これらのタンパク質の同定と、機能解析は今後の課題として残された。

報告書

(2件)
  • 2002 実績報告書
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Okubo M, et al.: "Clonal chromosomal aberrations accompanied by strong telomerase activity in immortalization of human B-lymphoblastoid cell lines transformed by Epstein-Barr virus"Cancer Genet Cytogenet.. 129. 30-34 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] Tsuyama N, et al.: "X-rays induce dose-dependent and cell cycle-independent accumulation of p21(sdi1/WAF1)"Hiroshima J Med Sci.. 50. 1-7 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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