研究課題/領域番号 |
13878117
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上村 大輔 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00022731)
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研究分担者 |
小山 智之(諏佐) 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 講師(研究機関研究員)
小山 智之(諏佐 智之) 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 講師(研究機関研究員)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ウズラガイ / 有毒物質 / ナノモル構造決定 / シカクナマコ / プラリアトキシン / ウツボ / 摂餌刺激物質 / 急性中毒 / 被食者と捕食者 / 生物現象 / 天然有機化合物 / 忌避作用・逃避行動 / 活性試験 / 単離・構造決定 / プテリアトキシン / テルピオジエン |
研究概要 |
本研究では、自然界の捕食者と被捕食者の間の生物現象に着目し、海洋生物を用いた活性試験法を確立するとともに異種個体間の相互作用に関与する化学物質の解明を目指した。 1.シカクナマコとウズラガイの化学的成分 ウズラガイを実験用水槽で飼育し、シカクナマコ抽出物を寒天で保持して水槽試験によりウズラガイの捕食行動を実験的に再現させることに成功した。このように海洋生物の行動を生物活性試験に用いる例はまだ少なく、今後の化学物質の探索に新しい方向性を提示できたと考えている。ここで開発した生物活性試験法を指標として各種カラムクロマトグラフィーによる生物活性物質の精製を試みたが、対象としたウズラガイが予想していたよりも稀少であり、数個体しか入手できなかったために化学成分の特定には至らなかった。本研究により確立させた生物活性試験法は、種々の海洋生物にも広く応用が可能であり、生物間の相互作用を司る物質を解明するために有用となる。尚、ウズラガイの中毒成分、シカクナマコのウズラガイ認識成分についても研究を進めた。 2.ウツボが忌避行動を示すマベガイ内臓の化学的成分 マベガイのエタノール抽出物から各種カラムクロマトグラフィーによりマウス急性毒性を指標としてプテリアトキシンA、B、Cの三種類を単離した。この新規毒性物質は各々ナノモルオーダーの量しか得られなかったが、800MHz NMRを用いてその平面構造および絶対立体配置を決定することができた。また、ウツボに対して忌避作用があるとされるマベガイの内臓を水槽内のウツボに与えたところ一度口にして吐き出す行動を再現させることに成功した。ウツボを用いた活性評価法の確立には至らなかったが、今回単離した強力な毒性物質がこの忌避行動に重要な役割を果たしていると予想している。
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