研究課題/領域番号 |
13878129
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
坂根 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10183815)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ジグリセリドキナーゼ / ジアシルグリセロール / ホスファチジン酸 / アポトーシス / SAMドメイン / Cdc42 / Rac1 / 細胞骨格系 / シグナル脂質 |
研究概要 |
ジグリセリド(DG)キナーゼ(DGK)の基質DGと反応産物のホスファチジン酸の両者ともに生理活性脂質として知られている。現在、哺乳類のDGKは、9種のアイソザイムからなる大きなファミリーを形成することが明らかになっているが、各DGKアイソザイムのの具体的な生理的役割は殆ど明らかではない。最近、偶然、DGKαを発現した細胞はアポトーシスが誘導される度合いが顕著に低いことを見出した。そこで、このDGKαによるアポトーシス抑制の機構を明らかにする目的で本研究を計画した。 1.DGKαのアポトーシス阻害機構の解明:DGKαが選択的アポトーシスが活発なTリンパ球に大量に発現していることを既に明らかにしているので、テトラサイクリンの有無で誘導のかかる野生型、不活型及び常時活性型DGKαの安定形質転換細胞株(Tリンパ球由来Jurkat細胞)を作製を試みた。既にDGKαの遺伝子に変異を導入したES細胞(相同組み換え体)を既に得ており現在キメラマウスを作成中である。しかし、残念ながら細胞株、キメラマウス共に研究期間中には得られなかった。 2.DGKαの機能を知るためには他のアイソザイム(極めて類似したDGKγやDGKδ)の機熊を含めた総合的な知見が必要と考え検討した。DGKγはCdc42、Rac1と相互作用し、活性型DGKγは糸状仮足を、不活型は葉状仮足の形成をそれぞれ促進した。DGKδがSAMドメインを介してホモオリゴマー(少なくとも4量体)を形成することが明らかになり、更に、刺激によりオリゴマー/モノマー間の変換が起こること、また、DGKδが刺激によるリン酸化や細胞内顆粒から細胞膜への移行の際にこのオリゴマー/モノマー変換が重要な役割を果たすことが示された。DGKδは選択的スプライシングによって生じる異なるアイソフォーム(DGKδ2)が存在し、様々な性質が異なることを明らかにした。
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