研究課題/領域番号 |
13878155
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
赤坂 甲治 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60150968)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | DNA複製機構 / 複製開始点 / G-ストレッチ結合因子 / 1本鎖DNA結合 / 初期卵割期 / ウニ / ヒト / ショウジョウバエ |
研究概要 |
卵生の多くの動物種においては、受精直後の細胞分裂速度は通常の体細胞分裂速度に比べて非常に速く、DNA複製速度は体細胞のそれの数十倍の速度に達する。DNAポリメラーゼの複製速度は一定であるが、複製開始点が増加することにより染色体DNAの複製が短時間で終了するという可能性が古くから示されている。しかし、複製開始点の増加を司る因子や機構についてはまったく不明であり、ほとんど研究の積み重ねがないのが現状であった。我々は、染色体DNA上にG-stretchが散在すること、およびG-stretchに結合する因子がDNA合成期の核に存在することを明らかにしており、当研究ではG-stretch結合因子とDNA複製とのかかわり合いを解析した。研究の結果、G-stretch結合因子は2本鎖がほどけたDNAに結合することが明らかになり、大腸菌や酵母で明らかにされている、DNA複製開始機構とよく似た機構が、卵割期の速い複製でもはたらいている可能性が示せた。また、細胞周期のM期に分解されるためのシグナル配列を除去したDNA結合ドメインを発現させると、染色体分離が異常になり細胞死が引き起こされることが明らかになった。さらに、ヒトとショウジョウバエでもホモログをクローニングし、ショウジョウバエの系でRNAi法によりG-stretch結合因子の発現を抑制したところ、致死となることが明らかになった。本研究により、初期卵割期の速いDNA複製機構に関する研究の基盤が整ったと考えられる。
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