研究課題/領域番号 |
13878186
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | (財)神奈川科学技術アカデミー (2002) 徳島大学 (2001) |
研究代表者 |
伊藤 嘉浩 財団法人 神奈川科学技術アカデミー, 再生医療バイオリアクタープロジェクト, 研究員 (40192497)
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研究分担者 |
池淵 研二 東京医科大学, 医学部, 助教授 (20175194)
牧野 弘 財団法人 神奈川科学技術アカデミー, 再生医療バイオリアクタープロジェクト, 研究員 (00359118)
野川 誠之 財団法人 神奈川科学技術アカデミー, 再生医療バイオリアクタープロジェクト, 研究員 (90359117)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | サイトカイン / エリスロポエチン / 造血幹細胞 / 固定化技術 / ゼラチン / 光リソグラフィ / アポトーシス / マイクロパターニング / 固定化 / 造血前駆細胞 / 細胞培養 / バイオマテリアル / 大量培養系 / 再生医療 |
研究概要 |
造血幹細胞移植は、骨髄移植、末梢血輸血、臍帯血輸血と発展してきた。臍帯血造血幹細胞は、ドナーへの負担なく採取できること、組織適合性が比較的ゆるいこと、冷凍保存できることなどから将来有望な供給源として期待されている。しかしながら、大量に得ることが困難で、大人の治療には使用しにくい欠点があった。この欠点を克服するための方法として、生体外増殖法の検討が多くなされている。その一つの方法として細胞増殖環境を生み出すストローマ細胞を用いて造血幹細胞の増殖を加速することが検討されている。しかし、ストローマ細胞の由来を考えると問題がある。ストローマ細胞を用いない、できるだけ人工的な培養系の確立が望まれる。そこで本研究では、サイトカインを固定化することによる人工的な細胞増殖環境の創出を目指した。 本研究では、まずサイトカインとしてエリストポエチン(Epo)を選び、ヒト造血前駆細胞のモデルとしてEpo依存性ヒト白血病患者由来細胞UT7-EPOを選んだ。まず、Epoを固定化するために光反応性ゼラチンの合成を行った。ゼラチンにアジド安息香酸の活性エステル体を反応させ合成した。ゼラチン誘導体とEpoを混合し水溶液としてポリスチレン基板に塗布した。風乾した後、マイクロパターンを刻んだ光マスクを載せUV光を照射した。その後、水洗し、細胞培養実験に供した。調製した基板の上にUT7-EPO細胞を播種し、培養を行った。すると、まずEpo固定化領域にだけ接着が見られた。その後2,3日後には、Epo非固定化領域の細胞はアポトーシスを惹起され、死滅したが、Epo固定化領域の細胞だけ生存した。1週間後には、培地の交換を行ったが、依然Epo固定化領域の細胞は増殖を続けた。そして2週間後も細胞成長を支持することがわかった。以上の実験により固定化サイトカインがヒト血液系細胞を活性化することがわかってきた。
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