研究課題/領域番号 |
13878191
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | (財)神奈川科学技術アカデミー |
研究代表者 |
中村 康司 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 幹細胞制御プロジェクト, 研究員 (20321911)
|
研究分担者 |
柳内 浩之 財団法人神奈川科学技術アカデミー, 幹細胞制御プロジェクト, 研究員 (80342955)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 肝芽細胞 / 肝幹細胞 / DNAチップ / 膜抗原 / モノクローナル抗体 / 肝発生 / SV40 large T抗原 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
胎児期の肝臓には、高い増殖力を有し、肝細胞と胆管上皮細胞の両者に分化する肝芽細胞が存在し、肝幹細胞と考えられている。肝臓の発生メカニズムの解明と、幹細胞を用いた再生医療への応用の為には、肝幹細胞特異的なマーカーの同定と細胞純化法の確立が必要である。DNAチップ解析により、マウス肝芽細胞特異的なII型膜蛋白質であるITM2A同定した。ITM2A遺伝子は、マウスにおいては肝臓が形成される胎生10日前後から12日の胎児肝臓の肝芽細胞に高発現しており、成体肝臓では全く発現が認められなかった。同様にヒトにおいても胎児肝臓での発現が認められ、成人肝臓では発現していなかった。マウスITM2A遺伝子を発現させた培養細胞株をラットに免疫し、ITM2Aの細胞外領域を認識するモノクローナル抗体を作成し、抗ITM2A mAbとセルソーターを用いて、マウス胎生13.5日の肝臓細胞を、ITM2A陽性細胞(11%)とITM2A陰性細胞(83%)とに分離し、分離後のそれぞれの細胞画分を、肝細胞マーカーであるアルブミンとDlkで二重染色した結果、Itm2A陽性細胞の93%がアルブミン/Dlk陽性の肝芽細胞であり、一方、Itm2A陰性細胞の89%がアルブミン/Dlk陰性の血球系の細胞であった。さらに、重篤な肝障害時に出現し、成体肝臓における肝幹/前駆細胞であるオーバル細胞におけるITM2Aの発現を調べた結果、ラット2AAF/PHモデル、マウスDDC dietモデルの両者において、ITM2Aの発現が認められた。以上の結果から、ITM2Aは発生過程および成体肝臓における肝幹/前駆細胞に発現している新規のマーカーである事が示唆された。一方、ITM2A遺伝子の機能については、胎生肝細胞の初代培養系への強制発現実験等を試みたが、細胞増殖、分化における機能は確認できず、今後の研究課題である。
|