研究課題/領域番号 |
13895008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
沖 大幹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50221148)
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研究分担者 |
里村 雄彦 京都大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20273435)
荻野 慎也 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80324937)
鈴木 雅一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10144346)
鼎 信次郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20313108)
蔵治 光一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (90282566)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | アジアモンスーン / 気候変動 / 水資源 / 国際共同研究プロジェクト / 水循環 / 東南アジア |
研究概要 |
世界の安定的な発展のためには、必要な質の充分な量の水を必要な地域に供給できるかどうかを的確にモニタリングし、あらかじめ知ることが極めて重要である。そのためには、降水、蒸発散、浸透、流出等各流域における水循環の的確なモニタリングとデータ解析によるその変動メカニズムの解明、そしてモデル化による将来予測など、自然科学的な観測と理解が欠かせない。これに対し、大陸スケールの水とエネルギー循環の観測研究を主な目的として、文部省科学研究費特定領域研究(B)「アジアモンスーン地域におけるエネルギー・水循環(通称GAME)」(代表:安成哲三、筑波大学教授)が実施され、アジアモンスーン領域全体での広域スケールにおけるエネルギー・水循環過程のこれまでにない詳細な観測と実態解明が行なわれ、本研究計画のメンバーの多くはその成果に貢献してきた。しかしながら、そうした観測や実態解明とアジアモンスーンの季節変化や経年変動の予測、あるいは水資源・水災害に関わる季節予報のためのモデリングとの間には依然として断絶がある。この溝を埋めるためには、地域スケールにおける人間社会と自然との相互作用環の解明に焦点を絞り、上記プロジェクトに限らず、IGBP-BAHC(世界地球圏生物圏プログラム/植生に関わる水循環研究プロジェクト)等によって得られた観測データや成果等を生かしつつ、新たな国際共同研究プロジェクトを行なう必要があると考えられる。 また一方で、従来の日本とアジア諸外国との間での国際共同研究プロジェクトは、主に日本側の科学的興味によって提案、実施されることが多かったのに対し、上記のような共同研究の積み重ねにより、インドシナ半島諸国をはじめとする東南アジアモンスーン地域の国々の研究者が、はじめに述べたような水危機研究に対する社会的意義と科学的興味とを認め、自発的に研究テーマを日本側に提案する様になりつつある。相手国によってはこれは極めて画期的なことであり、日本のみならずアジアにおける水循環研究の学問的発展のためにも新たな国際共同研究プロジェクトの確立は意義深いと考えられる。こうした状況に鑑みて、従来大陸スケールで行なわれしてきたアジアモンスーン地域のエネルギー・水循環観測研究とは一線を画し、東南アジアモンスーン域における気候と水循環の変動に関する観測調査研究を、計画の初期段階から東南アジア諸国の研究者と真の共同研究として新たに立案をすることが本研究の目的であった、GAMEを母体とした、日本・東南アジア両方の、数多くの若手研究者による熱心な討論の数々と、その成果としての特定領域研究への申請、報告書として提出される東南アジア気候・水循環データ資料集の作成によって、本研究の目的はほぼ達成されたといえる。
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