研究概要 |
熱帯生態系の保護と持続的利用の基礎となるインベントリーシステムの確立を進めるために,その裏付けとなる東南アジア各国の主要な研究者と交流し,施設,コレクシヨン,および自然環境について現状の把握を行なった. カウンターパートとの具体的交渉のために,マレーシアではサラワク州クチンの森林研究センター,タイではカセサート大学,ベトナムでは生態学・生物資源研究所,中国では華南農業大学および中国科学院,などを訪問した.交渉は東南アジア各国への渡航経験が豊富でカウンターパートとの面識も多い矢田と山根が中心となり,友国・野村も参加した.また,今後の準備として,院生にも現場を見る必要があると判断して系統分類学(分子系統学を含む)博士課程の院生2名を参加させた. 面会したいずれのカウンターパートも本プロジェクトをよく理解され,我々との共同研究,共同作業の実施につよい期待が寄せられていることを実感した.インベントリー調査の調査候補地として,サラワク州ランビル国立公園,タイのカオヤイ国立公園,ベトナムのタムダオ国立公園,中国広州市,海南島を訪問した結果,いずれの地も調査可能で,調査場所として適しているとの結果を得た.また,インベントリーのデータベース関連の国際的ネットワークの調整を行なうため,矢田が大英自然史博物館を訪れ,同館の昆虫部門長やインベントリー担当者と意見交流を行なった.その結果,本プロジェクトに関連したインベントリー作成のため,共同作業のできる部分では協力していくことに同意が得られた.
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