研究課題
特別研究員奨励費
1)CCN3の過剰発現がラット初代関節軟骨細胞の単層培養系で分化形質の発現を促進したので、関節軟骨ペレット培養系でもこの点を確認した。その結果、ペレットがCCN3過剰発現細胞では対照に比べやや大きくなり、組織標本を作製してトルイジンブルー染色を行うと、CCN3過剰発現ペレットでは対照に比べ、濃く染色されその領域も広かった。即ち、CCN3過剰発現でin vitroでの軟骨形成の促進がみられた。2)ヒト組み換えGST-CCN3タンパク質とその対照としてのヒト組み換えGSTタンパク質を徐放剤としてのgelatin hydrogelに吸着させ、ラット膝関節腔に投与し、その1日後にモノヨード酢酸(MIA)を同ラット膝関節に投与して、変形性関節症を誘発したところ、ヒト組み換えGST-CCN3タンパク質前投与群ではMIAによる関節軟骨のプロテオグリカンの分解が抑えられていることがトルイジンブルー染色で確認できた。また、tidemarkのintegrityも、GST-CCN3タンパク質の投与群では、対照のMIA単独処置群に比べ高かった。さらに、関節軟骨表層のマーカー分子であるlubricinは、MIA投与により変形性関節症を誘発すると消失するのに対し、CCN3タンパク質を前投与することにより、この消失が防御でき、lubricinが関節表層を綺麗に覆っていることが免疫染色で観察できた。すなわち、CCN3は関節軟骨の分化形質を促進する作用を有し、MIA誘導性実験的変形性関節症を防御する作用があることが明らかとなった。以上の結果は、前年度および前々年度に報告した結果と併せて一つの論文に纏めて、国際誌に投稿し、現在revise中である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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