産業としての自己啓発：サービス供給者・消費者・産業構造についての社会学的研究

• 研究課題/領域番号: 13J00037
• 研究種目: 特別研究員奨励費
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 国内
• 研究分野: 社会学
• 研究機関: 立教大学
• 研究代表者: 牧野 智和 立教大学, 社会学部, 特別研究員(PD)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 1,610千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 210千円); 2014年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円); 2013年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
• キーワード: 自己啓発 / 読者 / 言説分析 / 自己啓発書 / 編集者 / OJT

研究実績の概要

本年度は、自己啓発産業の消費者として、自己啓発書読者へのインタビューを前年度に引き続き行った。前年度と合わせ、17名の語りを収集することができ、この時点で語りのパターンは飽和に達したと判断したため、インタビューデータの整理・分析に進んだ。これは前年度に収集した自己啓発書編集者9名、および自己啓発書著者2名についての語りと合わせ、自己啓発言説の生産・循環・消費という観点から一つの論文に整理統合を行った。
一方で、自己啓発サービスの台頭と連動して社会に拡散する自己啓発的言説の分析も、プレジデント社のオンライン版における連載「ポスト『ゼロ年代』の自己啓発書と社会」を一年間続けた結果、蓄積されてきた。そこで、インタビューデータの整理分析を行った論文を第１章とし、その後に上記連載で行った自己啓発言説の分析のなかから、男性向け自己啓発書（より具体的には、主に男性に向けて、20代、30代、40代等の各年代における過ごし方を説く啓発書）、それに対応する女性向け自己啓発書、手帳の有用な使い方を示す書籍群、掃除や片づけによって人生や自己が変わるとする書籍群をそれぞれピックアップし、再分析した論文を配置して、特別研究員採用期間における研究のまとめとなる学術書の執筆に従事した。2014年10月に原稿を入稿し、年度の後半は校正に従事し、刊行は2015年4月になったものの、本研究の成果として勁草書房より『日常に侵入する自己啓発：生き方・手帳術・片づけ』を刊行する運びとなった。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 「実務インテリ」から今日的自己啓発へ――『中央公論経営問題』『ｗｉｌｌ』の分析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 牧野智和
  • 雑誌名: 現代思想 巻: 43-6 ページ: 168-185
• [雑誌論文] 「人間力」の語られ方――雑誌特集記事を素材にして (2014)
  • 著者名/発表者名: 牧野智和
  • 雑誌名: 日本労働研究雑誌 巻: 56-9 ページ: 44-53
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] 高校中退後の学習活動・就労行動についての分析-都立高校中途退学者調査を素材にして (2014)
  • 著者名/発表者名: 牧野智和
  • 雑誌名: 社会学年誌 巻: 55 ページ: 17-30
• [学会発表] 「薄い文化」としての自己啓発書購読――購読者のインタビュー調査から (2014)
  • 著者名/発表者名: 牧野智和
  • 学会等名: 日本社会学会第87回大会
  • 発表場所: 神戸大学（兵庫県神戸市）
  • 年月日: 2014-11-22
• [学会発表] 高校中退経験者への調査データからみる『肯定的な中退』の諸相 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松本暢平・牧野智和
  • 学会等名: 日本教育社会学会第66回大会
  • 発表場所: 松山大学（愛媛県松山市）
  • 年月日: 2014-09-14
• [学会発表] 都立高校生の進路選択過程に関する経時的研究――進路多様校やエンカレッジスクールを事例として (2014)
  • 著者名/発表者名: 古賀正義・山田哲也・牧野智和・松田恵示・山本宏樹による共同発表
  • 学会等名: 日本教育社会学会第66回大会
  • 発表場所: 松山大学（愛媛県松山市）
  • 年月日: 2014-09-14
• [学会発表] The transformation of self-consciousness in Japanese youth: From 1992 to 2012 (2014)
  • 著者名/発表者名: Tomokazu Makino
  • 学会等名: International Sociological Association World Congress of Sociology
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県横浜市）
  • 年月日: 2014-07-17
• [学会発表] 現代青少年の文化と意識(5)自己啓発書を読むことと自己意識の関係 (2013)
  • 著者名/発表者名: 牧野智和
  • 学会等名: 日本社会学会第85回大会
  • 発表場所: 慶應義塾大学
  • 年月日: 2013-10-12
• [学会発表] 日本における「ピーター・ドラッカー」の受容と展開 (2013)
  • 著者名/発表者名: 牧野智和
  • 学会等名: 日本出版学会雑誌研究部会
  • 発表場所: 日本大学
  • 年月日: 2013-09-27
• [学会発表] 『進路選択』はどのようになされているのか--調査から見た都立高校中退者の意識と行動 (2013)
  • 著者名/発表者名: 古賀正義・牧野智和・松田恵示・山田哲也・山本宏樹・盛満弥生
  • 学会等名: 日本教育社会学会第65回大会
  • 発表場所: 埼玉大学
  • 年月日: 2013-09-22
• [学会発表] 高校中退以後の学習・就労行動についての分析一東京都立高校中退者調査から (2013)
  • 著者名/発表者名: 牧野智和
  • 学会等名: 日本子ども社会学会第20回大会
  • 発表場所: 関西学院大学
  • 年月日: 2013-06-29
• [図書] 日常に侵入する自己啓発：生き方・手帳術・片づけ (2015)
  • 著者名/発表者名: 牧野智和
  • 総ページ数: 334
  • 出版者: 勁草書房
• [図書] 次の本へ (2014)
  • 著者名/発表者名: 苦楽堂編
  • 総ページ数: 368
  • 出版者: 苦楽堂
• [図書] Youth and Work Transitions in Changing Social Landscapes (2013)
  • 著者名/発表者名: Tomokazu Makino, Karen Evans, Helena Helve, John Bynner, Ingrid Schoon, John Schulenberg, Mette Ranta, Jaana Lähteenmaa, Rosalind Edwards, Susie Weller, Sheena McGrellis, Janet Holland, Arseniy Svynarenko, Tracey Rey nolds, Katariina Salmela-Aro, Hely Innanen, Helen Cheng, Ingrid Schoon, Edmund Waite, Johanna Wyn, ほか4名
  • 総ページ数: 358
  • 出版者: Tufnell Press (UK)
• [備考] PRESIDENT Online上に連載した、自己啓発書の近年の動向に関する連載「ポスト『ゼロ年代』の自己啓発書と社会」のURL :
  • URL: http://president.jp/subcategory/%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%83%88%E3%80%8C%E3%82%BC%E3%83%AD%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E3%80%8D%E3%81%AE%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%95%93%E7%99%BA%E6%9B%B8%E3%81%A8%E7%A4%BE%E4%BC%9A