配分額 *注記 |
4,320千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 720千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2014年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2013年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
研究実績の概要 |
本研究は (1)アーベル多様体に関する個数の有限性予想--Rasmussen-玉川予想-- (2)Liu加群の考察およびそのガロア表現への応用 の二つを主な対象としているものである.これらに関連して、本年度は特に(1)に力を入れて取り組み,その結果以下に述べるような成果を得ることができた.
[CM版のRasmussen-玉川予想の effective な結果] Rasmussen-玉川予想とは,代数体 K,整数 g > 0,素数 l に対して定義されるあるK上の g 次元アーベル多様体の有限集合 A(K,g,l)が,lが十分大きければ空になるという予想である.つまり,ある定数 C = C(K,g) が存在して、l > C ならばA(K,g,l)は空になるというものである.「アーベル多様体に付随するガロア表現がアーベル(定義体K上CMを持つアーベル多様体はこれを満たす)」という仮定のもとで予想が正しいことを自身で示していたが,Cの具体的な値については分からなかった.これを具体計算可能なものとして与えることができた.
[モジュラー曲線のCM点] モジュラー曲線 Y_0(l) のK有理CM点を考察した.より正確には「Y_0(l) が K 有理CM点を持たないような素数lたちの有限集合 Σ=Σ(K)を決定せよ」という古典的な問題を考察した.(※その非常に特別な副産物として,CM楕円曲線の Rasmussen-玉川予想がしたがうと期待される(ただしこの場合には予想自体は解決済み).)結果として, Kが奇数次の代数体の場合にこの集合Σ(K)を純代数的な言葉で記述するが出来,(虚二次体のガウスの類数問題が解決しているという仮定の下で)具体的に計算するアルゴリズムを得た.
|