研究課題/領域番号 |
13J01219
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物性Ⅱ(磁性・金属・低温)(実験)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
家 哲也 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 核磁気共鳴 / 鉄系超伝導 / 単結晶 / ネマティック / 軌道秩序 |
研究概要 |
我々は「微視的測定から明らかにする鉄系超伝導体における構造・磁性と超伝導の関係」の研究課題において、以下の2点を実施してきた。 【1】鉄系超伝導体の単結晶測定用NMRプローブの作成 核磁気共鳴法(NMR)では単結晶試料を用いて、結晶に対する磁場の角度を三次元的に制御することで、試料の詳細な結晶・磁気構造を特定することができる。近年、鉄系超伝導体は試料作成技術の向上により大きな単結晶が得られるようになってきたため、我々は単結晶精密測定を行う目的で一軸回転機構を搭載したプローブを作成した。回転機構による垂直方向回転とプローブ自体の水平方向回転を組み合わせた二軸回転により、試料と磁場方向の関係を三次元的に制御できる。作成したプローブを用いて、鉄系超伝導体BaFe2(As1-xPx)2のAs核・P核の信号観測に成功した。さらに、磁場の角度をFeAs二次元層内で制御することにも成功し、本プローブシステムを用いた磁場面内角度依存性の測定手法を開発した。 【2】鉄系超伝導体BaFe2(As1-xPx)2の低P濃度域における軌道秩序の観測 上記プローブを用いて、鉄系超伝導体BaFe2(As1-xPx)2 (x=0.04)単結晶のNMR測定を行った。ナイトシフトおよび共鳴線幅の磁場面内異方性を室温付近から構造相転移温度TS直上まで測定した結果、TSに向けて異方性の有意な増大を発見した。このことは、降温にしたがい、二回対称な電場勾配をもつAsサイトの数が増える、あるいはAsサイトにおける電場勾配の二回対称性が強くなることを示唆している。これはAs-4px/4py軌道間の占有数の差に由来することを示した。本結果は、先行するBaFe2(As1-xPx)2のトルク磁化測定やARPES測定の結果とも矛盾せず、TS以上で電子ネマティック状態が発現していることを示している。本成果は論文投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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