研究課題
特別研究員奨励費
報告者は、2014年6月から、NASA Goddard Space Flight Center の客員研究者として、アメリカで研究を開始した。前年度までに開発した二次元時間領域の津波電磁場シミュレーションコードを三次元に拡張し、平成26年度内に津波誘導磁場の鉛直成分の計算に成功した。今回開発した三次元シミュレーションでは、非構造四面体メッシュを採用した。非構造四面体メッシュは、メッシュ生成アルゴリズムが煩雑になるものの、格子状の数値メッシュに比べて海底地形を高い精度で表現することが可能となる。報告者は、フリーソフトのGmsh (http://geuz.org/gmsh/)を採用し、大気、海水、海底下の四面体メッシュの作成に成功した。報告者は、2014年8月にドイツ・ワイマールで開催されたElectro-Magnetic Induction Workshop に参加し、2011年東北地方太平洋沖地震津波によって誘導された磁場鉛直成分の計算結果を報告した。報告者の発表は、多くの聴衆の関心を集め、津波電磁場現象の津波早期予測への応用について活発な議論が行われた。現在の三次元津波電磁場シミュレーションコードでは、計算コストの問題から、津波の伝搬領域が500km×500km程度の領域に制限される。今後は、津波電磁場の広域計算を目指し、並列計算手法等を導入した計算コストの削減にとり組む予定である。軽量化されたシミュレーションコードを用いれば、今後、従来の津波波源インバージョンに津波電磁場データを組み合わせ、波高と電磁場データの両方を用いた、ジョイント波源インバージョンが可能となる。本研究では、津波の早期予測、及び、津波現象の解析への応用を目指し、引き続き三次元津波電磁場シミュレーションコードを改良していく。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Geophysical Research Letter
巻: 42 号: 7 ページ: 1-8
10.1002/2015gl063055
巻: Vol. 40 ページ: 4560-4564
http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/papers.html