研究課題
特別研究員奨励費
平成27年度では、前年度に国際雑誌Organic Geochemistryに投稿していた前期三畳紀末の微生物礁に関する論文の査読結果が戻ってきて、それを修正して再投稿し、結果として受理された。また、国際雑誌Palae3に、堆積有機分子を用いて復元した前期-中期三畳紀における環境ストレスと真核藻類の動態についての論文を投稿し、修正を経た後、受理された。具体的には、こちらの論文では、ペルム紀末大量絶滅後のサバイバル期である前期三畳紀では環境ストレスが強く、中期三畳紀の生物の回復が起こることに環境ストレスが緩和されていること、及び、真核藻類が前期―中期三畳紀の間に徐々に増加していくことを明らかにした。また、南中国のペルム紀末の試料と、前期三畳紀末の微生物礁の試料中に含まれる炭化水素の詳細な分析をガスクロマトグラフ質量分析計 (GC-MS) にて行った結果、古細菌のテトラエーテル脂質に由来する、今までに報告例がない環状ビファイタンが複数検出された。また、これらの環状ビファイタンの多重反応モニタリング (MRM) 分析手法をタンデム質量分析計 (GC-MSMS) にて模索した。模索結果は現在Organic Geochemistryに投稿中である。さらに、上記のMRM手法を用いて、南中国の下部―中部三畳紀の堆積物を対象に、古細菌、真核生物、バクテリアの詳細な動態を調査し、ペルム紀末大量絶滅後のサバイバル期である前期三畳紀中には古細菌が繁栄しており、絶滅からの回復期である中期三畳紀に入ると古細菌が衰退していることが明らかになった。これは前期三畳紀における古細菌の繁栄は前期三畳紀の悪い環境下では古細菌が繁栄しやすかったことを示している。結果は現在投稿準備中である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件)
Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology
巻: 451 ページ: 35-45
10.1016/j.palaeo.2016.03.006
Organic Geochemistry
巻: 85 ページ: 66-75
10.1016/j.orggeochem.2015.05.004
巻: 73 ページ: 113-122
10.1016/j.orggeochem.2014.05.007