研究課題
特別研究員奨励費
申請者が平成27年度に実施した研究の成果は、以下の通りである。当該年度は研究計画における最終年度に当たり、申請者は前年度に引き続き博士論文の執筆に取り組んだ。具体的には、①博士論文の構成の吟味、②日本法の検討、③比較対象国であるドイツ法の文献渉猟である。申請者は前年度に引き続いて博士論文の構成、なかんずく序章の内容である日本法における問題点を吟味した。その結果、第一に日本法の問題点として、(1)保険診療において患者(被保険者)および保険医療機関ないし保険医との間で締結される私法上の契約(保険診療契約)上の義務につき、民法学において一定の議論の蓄積があるものの解決には至っていないことが明らかになった。そして、当該義務を理解するに当たっては、そもそも建前上は療養の給付を行う者である保険者が、被保険者に対していかなる義務を負っているのかについて検討しなければならないことも判明した。また、比較対象国であるドイツ法についても文献渉猟を完了し、検討を行った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。