研究課題/領域番号 |
13J02430
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯間 麻美 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2013年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | IVIM / ADC / 拡散MRI / 乳癌 / 診断 |
研究概要 |
臨床例においてIVIM (IntraVoxel Incoherent Motion)イメージングにつき信頼できるデータを得るための撮像方法の検討をコンピューターを用いたシュミレーション、及び複数のファントムを使用して行った。解析の際に問題となっていた画像のノイズをファントム実験により詳細に評価しノイズ定数を設定、臨床データにも適応し、ノイズを除去することにより解析技術をさらに高め、また最適なb値を検討することにより、IVIM成分を正確に抽出出来る様になった。IVIM及び拡散のさらなる検討として、ラット脳腫瘍モデルを用いて各パラメーターと病理標本の詳細な検討により、腫瘍内の血管数とIVIMパラメーターにおける有意な正の相関関係を実証し、IVIMが腫瘍内部の血流を反映している事を組織学的評価により証明し、拡散MRIの非ガウス分布による解析も行った。この結果においては国際学会において発表し、国際論文に受諾された。ヒトの乳腺腫瘍においても同様の解析を行い、IVIMや従来のADC (Apparent Diffusion Coefficient)に留まらない複数のパラメーターを算出、評価できるようになり、各パラメーター画像の作成、及び各パラメーター画像を合わせた診断マップの作成に成功した。また造影剤から得られる還流の情報とIVIMパラメータにおける有意な正の相関関係を実証した。また診断マップによるカテゴリー評価と従来の乳癌診断に用いられる診断法との比較を行い、患者負担の大きい外科的手法や薬剤の投与によらない、将来的には術前薬物療法等の治療効果予測にも役立つバイオマーカーとなりうる、IVIM・非ガウス分布拡散MRIによる非侵襲的な乳癌診断の有用性を示した。これらの成果においては国際磁気共鳴学会、ヨーロッパ放射線学会で発表し、現在論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コンピューターを用いたシュミレーション、及び複数のファントムを使用する事により至適b値などの撮像方法を検討し、マルチコンポーネント解析を行った。腫瘍内外におけるIVIMのパラメーター変動の評価、比較、及び造影剤を使用した灌流との詳細な比較により、腫瘍における灌流評価をおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は乳癌における良悪性の鑑別に有用な診断マップの確立に向け、必要な各パラメーター画像の閾値の設定方法の検討、また従来画像の診断能と定量比較を行い、各パラメーターと病理像との比較を行う事により、臨床上の有用性をさらに詳細に検討する予定である。
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