研究課題
特別研究員奨励費
1. miRNA発現制御機構におけるポリ(A)鎖短鎖化複合体の機能解析miRNAサイレンシング複合体の構成因子で、発現抑制の中心として機能するTNRC6とポリ(A)鎖短鎖化複合体による標的mRNA本体の分解と翻訳抑制の分子機構を明らかにすることを目的とした。遺伝学的な解析が容易な出芽酵母において、miRNAによる発現抑制機構の系の構築に成功した。この系を用いた解析により、TNRC6はポリ(A)鎖短鎖化複合体を介してポリ(A)鎖の短鎖化によらずmRNA本体の分解を促進し、さらに翻訳の開始段階を阻害していた。これら二つの機構には、デキャッピング促進因子が必須であることを見出した。本年度はデキャッピング促進因子のポリ(A)鎖短鎖化複合体との相互作用や、ATPase活性を欠失させた変異体を作製し、これらの変異体がTNRC6-ポリ(A)鎖短鎖化複合体による発現抑制に与える影響を検証した。また、TNRC6-ポリ(A)鎖短鎖化複合体による発現抑制に関与する新規因子を同定するため、遺伝学的スクリーニング系の条件検討を行った。2. 品質管理機構におけるリボソーム結合因子Asc1の機能解析出現頻度の低いレアコドンをコードする配列は、リボソームの停滞を引き起こして翻訳を阻害(翻訳アレスト)する。この翻訳アレストに必須な因子Asc1を同定し機能解析を進めてきた。本年度、Asc1欠損株で検出される翻訳アレスト配列由来の異常翻訳産物の解析を行った。その結果、Asc1欠損株では、レアコドンの数に比例して+1RFSの頻度が上昇したが、最適コドンの連続配列では+1RFSは観察されなかった。また、Asc1欠損株での+1RFSを促進する因子として、リボソームに結合する因子を同定した。レアコドンがP-siteに位置した場合に生じる+1RFSを、Asc1が抑制して正常な読み枠を維持する分子機構が明らかとなった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (13件) 備考 (2件)
The Journal of Biological Chemistry
巻: 290(26) ページ: 16021-16030
Journal of Biological Chemistry
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http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~idenshi/inada_lab_HP/Home.html