配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2015年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2014年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究実績の概要 |
光励起過程で非対称性が増幅される、高効率な円偏光発光を示す高分子材料の開発と非対称性増幅の機構解明を目的として研究を行なった。 これまでの研究より、高効率な円偏光発光性ポリフルオレンとしては、分岐構造を持つポリフルオレンビニレン誘導体である、ハイパーブランチ型ポリ(9-ネオメンチル-9-ペンチルフルオレン-2,4,7-ビニレン) (HB-PFV)が特に優れていることが分かった。フルオレン-ビニレン構造が特に高効率円偏光発光に寄与していることが示唆された。このため、構造を簡素にした低分子量モデル化合物の合成と、それらを用いて非対称性増幅の知見を得ることを試みた。 低分子量モデル化合物として、HB-PFVの2、3、4量体モデルを合成した。これらに含まれるビニレン基は1H NMR測定より99 %以上がトランス形であることが示唆された。UV、CD測定より、いずれのモデル化合物も最大で10のマイナス4乗オーダーの基底状態非対称性を有することが明らかとなった。 また、紫外円偏光発光性高分子の開発を目的として、2-ビニル-9-ネオメンチル-9-ペンチルフルオレンを合成し、ラジカル重合によってキラル側鎖を持つビニルポリマーP2VNPFを得た。重合条件の検討により、メタノール不溶性の高分子量成分(数平均分子量4,400、多分散度3.3)が転化率80 %で得られた。このポリマーはUV測定において約280 nmに吸収極大を示し、CD測定においてUV吸収極大に対応する領域で10のマイナス4乗オーダーの非対称性を示した。蛍光測定では約330 nmに蛍光極大を持つ紫外発光を示した。
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