研究課題/領域番号 |
13J02855
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
病態科学系歯学・歯科放射線学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
戒田 篤志 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 放射線治療 / 細胞動態 / 腫瘍内微小環境 / リアルタイムイメージング / Fucci / G2アレスト |
研究概要 |
放射線治療における固形腫瘍内の細胞動態は放射線感受性を増感させる方向へと導くためにも重要な所見である。これまでに放射線照射を受けた多くの腫瘍細胞は生じたDNA損傷の影響によりG2アレストを引き起こすことが単層培養系の実験において証明されていた。しかし、固形腫瘍内には腫瘍内微小環境と呼ばれる特異な環境が存在し、放射線抵抗性機構に関与していることからも放射線照射後の固形腫瘍内における細胞周期動態は腫瘍内微小環境と関連付けて解析する必要があるがこれまでのフローサイトメトリーを主体とする解析方法では限界があった。そこで、細胞周期リアルタイムイメージング技術であるFluorescent Ubiquitination-based Cell Cycle Indicator (Fucci)を応用し、放射線照射後の固形腫瘍内の細胞周期動態を解析した。 固形腫瘍解析の前段階としてFucciを導入したHeLa細胞より腫瘍疑似モデルであるスフェロイドを作製し、X線10Gy照射したところ、スフェロイド外側において、G2アレストのピークは単層培養系と変わらなかったもの、G2アレストの持続時間が遷延することが明らかになった。さらにスフェロイド内部においては、外側と異なる動態を示し、外側よりも遅れてG2アレストのピークを迎えることが判明し、そのG2アレストは外側同様に遷延していた。また、Fucci導入HeLa細胞より作製した固形腫瘍においてもX線10Gyを照射すると、G2アレストは単層培養系に比べて著明に遷延し、その程度はスフェロイドよりも大きかった。さらに壊死領域近傍の細胞はスフェロイド同様に放射線照射後におけるG2アレストのピークが遅延することも示された。 以上よりスフェロイドおよび固形腫瘍における、単層培養系とは異なる放射線照射後の細胞周期動態は腫瘍内微小環境による影響であることが示唆されたが、固形腫瘍において放射線照射後のG2アレストが遷延する機構およびその生物学的意義については更なる検討が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
|