配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2014年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究実績の概要 |
今年度は(1) 極小モデル理論と有理点の関係、(2) 基礎体が有限体の代数閉包である場合の極小モデル理論、 (3) ACC予想とLSC予想に関連する新しい予想の定式化、について研究を進めた。以下、研究成果を詳述する。 (1) 有限体上定義された非特異ファノ多様体は有理点をもつというEsnault氏の結果がある。今年度はこの定理を非特異多様体のセッティングで考えた。結果として、標数7以上の3次元ファノ型多様体が有理点を持つことが証明できた。これは、3次元KLT多様体のWO-有理性と、3次元ファノ型多様体の有理鎖連結性から従う。WO-有理性は標数0のアナロジーとして今後の極小モデル理論の進展に有効であると考えている。 (2) 昨年度に引き続き、基礎体が有限体の代数閉包である場合の極小モデル理論を研究した。昨年度、有限体の代数閉包上定義された3次元ログ標準対に対して、固定点自由定理を”巨大な”直線束について (標数によらない形で) 証明していた。今年度は標数7以上という仮定の下、この定理から”巨大”という仮定を外す事ができた。Hacon-Xu, Birkar, Birkar-Waldronらによる3次元多様体(正標数)における極小モデル理論の進展が鍵となった。 (3) ACC予想に関連して、極小ログ食い違い係数を与えるようなブローアップの列の長さに関して予想を立てた。 LSC予想に関連しては、PIA予想と組み合わせることで「上空の因子の交わり方」という幾何的な条件に帰着させることが出来た。
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