研究課題
特別研究員奨励費
オリゴチオフェン誘導体は,様々な有機機能性材料に用いられるπ共役系材料として注目されており,その効率的な合成法の開発は有機化学上重要な課題である.本年度は,チオフェンの炭素-水素結合直接カップリング反応(C-Hカップリング反応)を用いた,合成プロセスの簡略化を目的とする機能性オリゴチオフェン誘導体の合成法の開発を行うにあたり,特に以下の3つのテーマを重点的に実施した.1.アリールアルミニウムを用いたスチルベン誘導体の合成:昨年度に見出したロジウム触媒を用いるアリールアルミニウムとビニルアレーンとのクロスカップリング反応をオリゴチオフェン合成に応用するため,その反応の詳細な検討を行った。その結果,ロジウム触媒の代わりにニッケル触媒を用いても同様の反応が進行することがわかり,アリールエチルアルミニウムを用いると,エチルアルミニウムがエチレン源として働き,ビニルアレーンを加えなくてもスチルベン誘導体を与えること見出した.2.触媒的C-Hカップリング反応を利用する構造が明確に制御されたポリチオフェンおよびオリゴチオフェンの精密合成法の開発:3位置換チオフェン誘導体の位置選択的なC-Hカップリング反応を利用することによって,head-to-tail構造を有するチエニレンビニレンオリゴマーの合成法の開発に成功した.また,分岐状オリゴチオフェンをモノマーに用いたポリチオフェン合成にも成功し,得られたポリマーの構造の詳細な検討を行った.3.アリール酢酸とハロゲン化アリールの脱プロトン的クロスカップリング反応の開発:Grignard反応剤と触媒量の2級アミンを用いるチオフェンの脱プロトン的カップリング反応を,他の基質への応用を検討する過程で,Grignard反応剤を用いるとアリール酢酸のα位で脱プロトン化が進行し,遷移金属触媒存在下,ハロゲン化アリールとのカップリング反応が進行することを見出した.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (10件) 備考 (2件)
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