研究課題
特別研究員奨励費
本研究は各要素の連携設計による電動車両用駆動システムの更なる高速化、高効率化を図るものである。まずは永久磁石同期モータドライブシステムの電圧制限下での限界性能を引き出すため、状態フィードバックに基づく電圧位相制御、疑似シームレス制御を提案し、電圧制限下でのトルク応答を高速化させた。本提案手法により、高回転数領域でも車両運動制御の安定性が保証される。また、電圧制限下での達成性能限界であるアンダーシュート量またはオーバーシュート量を線形化モデルの零点から定量化したが、この零点はモータパラメータおよび動作点で表される。そこで、モータ設計によって達成性能限界の回避を検討した。リラクタンストルクとマグネットトルクのバランスを取ることで低回転数・低トルク領域の零点を速くでき、モータ構造と制御系の連携設計によるトルク応答の改善できることを示した。電圧制限下での達成性能限界は電圧振幅が操作できれば回避できる。昇圧コンバータとモータドライプの協調制御によって電圧振幅が操作できるが、高速な昇圧コンバータの出力電圧制御が必要である。そこで、高速な昇圧コンバータの出力電圧フィードフォワード制御の基礎検討をおこなった。効率の観点では、前後輪モータの駆動力配分によって車両全体の効率を改善させる航続距離延長制御システムにおいてモータ構造と制御系の連携設計を基礎検討した。モータ設計のため、最小総入力電力の条件式を導出し、グローバル最適化と前後輪モータそれぞれの最適化が両立することを示した。すなわち、前後輪の最高効率点を変えれば車両全体では複数の高効率点が存在すると予想される。導出した式を用いることで、車両全体の効率を改善させるためのモータ設計に見通しが良くなったといえる。
(抄録なし)
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IEEJ Journal of Industry Applications
IEEE Transactions on Power Electronics
巻: 28 号: 12 ページ: 5655-5664
10.1109/tpel.2013.2259262
http://hflab.k.u-tokyo.ac.jp/