研究課題/領域番号 |
13J03755
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉本 陽奈子 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2015年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2014年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 古代ギリシア / アテナイ / 銀行 / 商人 / 裁判 / 人的紐帯 / 穀物供給 / 顕彰 / 外人 |
研究実績の概要 |
本年度は、古典期アテナイの外人の商業活動について、ネットワークという観点から研究をすすめた。まず、紀元前4世紀アテナイの銀行家について、史料を網羅的に分析することでさらに考察を深めた。先行研究では、預金や貸付といった銀行業務の具体的内容が主たる論点とされてきたため、銀行家に対する社会的認識についてはほとんど論じられていない状況にある。そこで、この問題に関して法廷弁論の分析をすすめたところ、次の二点が浮かび上がった。すなわち、アテナイ社会では銀行家に対する特定のイメージが形成されていたということ、さらには、弁論の話し手が自らの主張を強化するためにそのイメージを積極的に利用していたということである。この研究成果については、学会で口頭発表を行った。 また本年度は、海上交易商人のネットワークと裁判とのかかわり方についても検討を加えた。法廷弁論の中では商人の協力関係への言及がしばしば確認されるが、先行研究はこれらを組合や連帯責任という観点から論じてきた。しかし、これらの研究にはそうした言及が行われたコンテクストに注意を向けていないという問題点がある。そこで、関連する法廷弁論を網羅的に分析した結果、次のような結論が導き出された。第一に、商人は自身と他の商人との協力関係を強調することで、信頼獲得を得ることができたとみられる。第二に、商業裁判の場では、訴訟相手とその支持者の協力関係を「共謀」という形で攻撃することによって、自身の主張の説得力を高めるという手法が用いられていたと考えられる。すなわち、協力関係への言及は、肯定的機能・否定的機能の二種類を有していたとみることができるのである。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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