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ルーマニアにおけるシオランと「シオラン」の生成

研究課題

研究課題/領域番号 13J04195
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 思想史
研究機関早稲田大学

研究代表者

大谷 崇  早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
研究課題ステータス 完了 (2015年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2015年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2014年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワードルーマニア / 思想史 / エミール・シオラン / ブクル・ツィンク / ミルチャ・エリアーデ / ファシズム / 東欧 / 戦間期 / ナエ・イオネスク / ナショナリズム / ミルチャ・ヴルカネスク / ペシミズム / 歴史哲学
研究実績の概要

本年度は二つの領域に区分して研究を遂行した。1.戦間期ルーマニア思想史の研究、ならびに2.フランスのジャック・ドゥセ図書館に所蔵されているシオランの草稿の研究である。
1.については、昨年度までの研究成果に基づきつつ、シオランの同世代の知識人ブクル・ツィンクとミルチャ・エリアーデに焦点を当てた。ツィンクは西欧主義者、エリアーデは伝統主義者と、両者は正反対の思想的・政治的潮流に属するが、彼らはほとんど同じ語彙と概念を利用して自らの論を組み立てている。そのなかでももっとも重要なものが「精神」であり、両者ともこれを「政治」と対立するものとみなしている。つまり、どちらも「精神」を肯定し「政治」を否定しながら、一方は西欧世界と自由主義を、他方は伝統世界と反自由主義を称揚することができたことになる。このことが示しているのは、戦間期ルーマニアの若き知識人たちにおいて、政治というものがいかに忌避される存在であったかということである。このことは、ルーマニア・ファシズムの勃興において現行の「政治屋」的な民主主義体制への不満が少なからぬ役割を担ったという事実との深い関連を思わせるものであるが、他方で1933年以降のシオランは明確に政治的なものを肯定しながら活動したということを考えると、一概に断言できない問題であり、さらなる検討を要する。
2.については、当年度10月-11月にフランスに滞在、パリはジャック・ドゥセ文学図書館所蔵のシオランの草稿を調査した。その結果、遺稿は膨大な数にのぼり、全体を通して研究するためには、より長期間当地に滞在する必要があることが判明した。この草稿の研究について、現時点で言えることは、これまで以上にシオランのフランス語時代とルーマニア語時代の連続性を想定しなければならないということであり、彼はこの断絶が不確かな曖昧さを、亡命状態において最大限に利用したということである。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(3件)
  • 2015 実績報告書
  • 2014 実績報告書
  • 2013 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 2015 2014 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 『文明の擁護』におけるブクル・ツィンクの文化哲学2016

    • 著者名/発表者名
      大谷 崇
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院文学研究科紀要

      巻: 第61輯 ページ: 35-49

    • NAID

      40020759446

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ナエ・イオネスクの「正教主義」2015

    • 著者名/発表者名
      大谷崇
    • 雑誌名

      哲学世界

      巻: 37 ページ: 13-24

    • NAID

      40020404201

    • 関連する報告書
      2014 実績報告書
  • [雑誌論文] 生きる知恵としてのペシミズム-シオランにおける憎悪とペシミズム-2014

    • 著者名/発表者名
      大谷 崇
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院文学研究科紀要

      巻: 第59輯 ページ: 131-143

    • NAID

      40020018127

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 変容か永遠か-エミール・シオラン『ルーマニアの変容』とミルチャ・ヴルカネスク『実存のルーマニア的次元』におけるルーマニア民族の運命-2014

    • 著者名/発表者名
      大谷 崇
    • 雑誌名

      哲学世界

      巻: 第36号 ページ: 27-50

    • NAID

      40020080764

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] ルーマニア期エリアーデにおける「精神の革命」2015

    • 著者名/発表者名
      大谷 崇
    • 学会等名
      日本宗教学会第74回学術大会
    • 発表場所
      創価大学
    • 年月日
      2015-09-05
    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
  • [学会発表] 戦間期ルーマニア右翼思想における政治と宗教2014

    • 著者名/発表者名
      大谷崇
    • 学会等名
      日本宗教学会第73回学術大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2014-09-14
    • 関連する報告書
      2014 実績報告書
  • [学会発表] ルーマニア民族の運命とアイデンティティ――エミール・シオランとミルチャ・ヴルカネスク2013

    • 著者名/発表者名
      大谷 崇
    • 学会等名
      ユーラシア表象研究会
    • 発表場所
      北海道大学スラブ研究センター
    • 年月日
      2013-11-12
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 憎悪のオデュッセイア――シオランのペシミズム――2013

    • 著者名/発表者名
      大谷 崇
    • 学会等名
      早稲田大学哲学会大会
    • 発表場所
      早稲田大学戸山キャンパス
    • 年月日
      2013-07-13
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

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公開日: 2014-01-29   更新日: 2024-03-26  

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