研究概要 |
今年度は有機半導体材料として有望な骨格と考えられる酸素架橋屈曲型パイ電子系材料群を合成し評価を行った. 単結晶構造解析の結果, 本分子群はC-H…π相互作用が強く働き中心骨格のずれが無いという特異な性質を有することが分かった, 得られた一連の化合物群の光物性評価を行ったところ高い蛍光量子収率を持っことが分かり, これまで困難とされてきた高い電荷輸送性能性能と発光特性の両立が期待され興味深い. また, 有機薄膜に関してt原子間力顕微鏡(AFM)測定および薄膜XRD測定, 場合によっては放射光施設での実験を行いシート構造の解析を行った. 本研究成果は以下の研究発表において記載されている通り本特別研究員が筆頭著者となって報文として成果を報告した. 本研究は酸素架橋パイ電子系材料の合成および有機デバイスへの応用に関して, 有機合成化学, 元素化学, 光化学さらには半導体物理を幅広く網羅する, 学術的に非常に価値の高いものである. さらに提示された分子設計指針は次世代有機半導体材料の開発へつなげていく点でも有益であり, 応用物理学, 特に材料科学に寄与するところが大きい.
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