研究課題
特別研究員奨励費
Psmf1が核内にあることを蛍光免疫染色法により確認した。DNA損傷時に損傷部位に様々なタンパク質が局在することが知られているがPsmf1も関係するのか確認したところ、損傷部位への局在は確認できなかった。Psmf1のノックダウン細胞株を作製し、細胞周期、及びDNA損傷応答への影響をフローサイトメトリー及びコメットアッセイにより解析したところ、通常の細胞周期は変化が見られなかったが、IRによるDNA損傷直後のDNAダメージが低く抑えられていることを確認した。またDNA損傷応答からの回復が遅延することが確認できた。さらに、コロニーフォーメーションアッセイによりPsmf1のノックダウンでIRの感受性が低下したことを確認した。これらの結果からPsmf1がDNA損傷応答に何らかの機能があることが示唆された。Psmf1はプロテアソームの活性を制御していると報告されていたが、上昇させるのか阻害させるのかということはあまり詳しく解明されていなかった。Psmf1のノックダウン細胞株を用いて,プロテアソームの活性を調べたところ、キモトリプシン様活性、トリプシン様活性及びカスパーゼ用活性のいずれもPsmf1ノックダウン細胞で上昇していることを確認した。またそれらはDNAダメージに非依存的であることも確認した。26Sプロテアソームの構成因子のノックダウン細胞株を作製し、DNA損傷応答に対する影響を確認したところ、これらの因子のノックダウンでもChk1のリン酸化、Nbs1のリン酸化といったDNA損傷に関わる因子のリン酸化の延長がみられた。以上のことからプロテアソームの活性はDNA損傷修復と関係があることが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 458 号: 3 ページ: 470-475
10.1016/j.bbrc.2015.01.122