研究課題
特別研究員奨励費
1 ~単一サイクル位相制御赤外6 fsパルス(~1.3サイクル)の整備;これまでに開発を行ってきた単一サイクル6 fs光源の、シュミレーションによる波形解析を行い、スペクトルおよびパルス波形の決定要因を調べた。その結果から、パルス波形整形、安定化を進め、簡便な分光利用を可能にした。2 上記光源を用いた、有機伝導体、遷移金属酸化物の新規試料における光強電場効果の探索;a) 擬一次元有機伝導体 (TMTTF)2AsF6;電荷秩序絶縁体(TMTTF)2AsF6は、ギャップが小さく、高周波数のスペクトルはドルーデモデルのプラズマ端(ωp)に類似の反射端によって特徴づけられる。本研究では、この反射端の光電場誘起変化を、ローレンツモデルを用いて解析し、ωp=(ne^2/(ε0ε∞m))が3%減少(移動積分の減少6%に対応)することを明らかにした。このωpの変化は、電子温度の上昇よりも遥かに速い約20fsの時間スケールで立ち上がること、電荷ギャップのエネルギーを反映する周期20 fsの振動を伴なうこと、などが明らかになった。また理論解析によって、このωpの減少や時間軸振動には、電子相関の強さが本質的な効果を及ぼしていることを明らかにした(Phys. Rev. B 受理済、arXiv:1603.08374)。b) 二次元有機伝導体 θ-(ET)2CsZn(SCN)4電荷グラス状態を示すθ-(ET)2CsZn(SCN)4 においても、同様に実験、解析(ただし拡張ドルーデモデルを使用)を行い、ωpの減少から移動積分の変化のダイナクスを明らかにした。(TMTTF)2AsF6では、移動積分の減少が、格子変位によって安定化したのに対し、θ-(ET)2CsZn(SCN)4 においては、安定化の機構が働かず、約40 fsという短い時間で移動積分の減少は回復することが分かった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Phys. Rev. B
巻: -
Nature Communications
巻: 5 号: 1 ページ: 5528-5528
10.1038/ncomms6528
Euro. Phys. J, Web of Conference (Ultrafast Phenomena XVIII)
巻: 41 ページ: 03013-03013
10.1051/epjconf/20134103013
巻: 41 ページ: 03019-03019
10.1051/epjconf/20134103019
http://femto.phys.tohoku.ac.jp/index.html
http://femto.phys.tohoku.ac.jp/