研究課題
特別研究員奨励費
これまでに開発した4枚の高精度形状可変X線ミラーを用い,二段二次元アダプティブ集光光学系を構築した.本光学系は一次元で2枚の形状可変ミラーを配置し,1枚目のミラーでX線を共通焦点へ集光する.そして,拡散したX線を2枚目の形状可変ミラーで最終焦点へ集光する.このとき,1枚目の形状可変ミラーの形状は,光源と共通焦点を焦点とする楕円に,また2枚目の形状可変ミラーは,共通焦点と最終焦点を焦点とする楕円に変形する.形状可変ミラーの形状を変形し,共通焦点の位置を変化させることで,最終焦点における集光径の大きさを変化させる光学系である.SPring-8において本光学系を用い,2種類の集光径を一つの光学系で実現する,可変集光実験を行った.結果,集光径を最大としたとき,水平方向において半値幅90 nm,垂直方向において半値幅120 nmの二次元集光に成功した.また,集光径を最小としたとき,水平方向において半値幅480 nm,垂直方向において1.3 μmの集光を実現した.この実験は世界初の試みであり,結果は今後のアダプティブX線光学の分野に大きなインパクトを与えるものである.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Review of Scientific Instruments
巻: 86
Proceedings of SPIE
巻: 9208 ページ: 920802-920802