研究課題
特別研究員奨励費
脳計測データ解析を通して実環境におけるヒトの自己位置推定アルゴリズムを解明することを目的とする.本研究ではそれを実現するために,ヒトが自己位置推定タスクを行っている際の脳活動をEEG(脳波)とNIRS(脳血流)により計測・解析することで,ヒトの計算神経科学モデルを構築する.また,ノイズ源や変動要因の多い実環境のデータを解析するために,ノイズや変動に対してロバストな脳計測データ解析法の研究を行う.当該年度は主に,(1)変動要因の多い実環境において計測された多人数の脳活動データベースから,脳の情報処理に関わる部位の安定な推定を実現するために,研究計画における「実環境下での動的機能解明に向けた脳計測データ解析法の研究」に従事し,また,(2)開発した手法の有効性を検証するために,簡単な予測タスクを多くの参加者を集って行い,提案手法による参加者の意図識別精度向上を確認した.具体的には以下のように研究を実施した.多数の実験参加者を集めての脳計測実験:前年度に提案した選択的空間注意課題における多人数脳活動EEG-NIRSデータを取得するため,41人の参加者を集い,実験を行った.この人数は脳活動データベースとしては比較的大規模なものである.実環境における多人数脳活動データに適用可能な解析手法の開発:変動の大きな実環境下でも安定に多人数脳活動データベースを解析するための手法を提案し,先に取得したデータベースにおける有効性を確認した.提案手法は多数の実験参加者から取得されたデータベースを,参加者間で共通する脳活動基底と,参加者特有の空間パターン,そして脳活動基底上での活動に分離するというものである.この手法により脳活動の変動が吸収され,従来手法よりも安定に脳活動基底の抽出が可能となった.現在,自己位置推定課題実験の提案・実施と,そこで得られたデータの提案法による解析を目指しているところである.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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NeuroImage
巻: 111 ページ: 167-178
10.1016/j.neuroimage.2015.02.015
巻: 90 ページ: 128-139
10.1016/j.neuroimage.2013.12.035
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