• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

近代イスラームにおける国際法理解-アブドゥルカーディルと19世紀世界-

研究課題

研究課題/領域番号 13J06024
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 地域研究
研究機関東京外国語大学

研究代表者

所 木綿子  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
研究課題ステータス 採択後辞退 (2016年度)
配分額 *注記
3,960千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 660千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2014年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードイスラーム学 / アルジェリア / 国際関係 / 政治哲学
研究概要

本研究は19世紀北アフリカのアルジェリアにおいて、フランス植民地軍に対する武装闘争であるジハードを指導し、思想探求者としても知られる、アミール・アブドゥルカーディル・ジャザーイリー(Amīr 'Abd al-Qādir al-Jază' irī, 1807-1883、以下アブドゥルカーディル)の思想について、彼の準拠していた国際法としての側面を以下の点から明らかにすることを目的とした。①異教徒との対立、調停におけるイスラーム法の役割、イスラームにおいて言及されてきた社会秩序について、政治哲学、国家思想の側面からアブドゥルカーディルの思想における法の役割について②彼の著作で述べられているイスラーム法と関連する概念について他のイスラーム学者との見解の共通点と差異について分析することで、彼の思想の位置づけについて。
①1844年隣国モロッコがフランスとの戦争に敗北した結果を受け、アブドゥルカーディルに対するモロッコの態度が援助から敵対に転じた事例、イスラーム国家と非イスラーム国家との間に締結された和平の是非に焦点を当てて検討を行った。このときアブドゥルカーディルは自らのジハードの遂行を妨げる、和平の是非について、エジプトの法学者ムハンマド・イライシュに法的判断を仰いだ。それによるとモロッコが住民の安全上必要不可欠であるとして和平を締結したことは、受け入れざるを得ないものであった。したがってアブドゥルカーディルの法的判断とは、ジハードの必要性を最大限主張し、その指導者である自らの立場をも主張したといえ、戦闘の劣勢によりジハードより和平が優先される事態を食い止めきれるものではなかったといえる。
②アブドゥルカーディルの主張は、伝統的なイスラームのマーリキー学派、シャアフィイー学派の見解に依拠し、とくに北アフリカの法学者によって多く参照され、スペインの「国土回復運動」の渦中にあった15世紀の法学者、ワンシャリースィーの議論を土台としていることが今回注目された。彼の議論のイスラームと異教徒との関係をアブドゥルカーディルがどのように再考してきたのか、彼に至る思想の歴史の実態とはどのようであったのか今後も検討していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度の研究結果については、口頭発表の形で何回か発表を行ったものの、論文として発表するまでに至らなかった。

今後の研究の推進方策

今後は今年度明らかにしきれなかった箇所をもう一度問い直す作業を行うとともに、対外勢力であるフランスとの戦争、交渉、和平締結を行うに至ったアブドゥルカーディルの政治的立場を考えるうえで、在地勢力との関係性についての研究も進めていく。これを従来の研究の成果と関連付けたうえで、論文形式での発表を行う。

報告書

(1件)
  • 2013 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Jihad and Sulh : Concerning the Relationship between al-Amir 'Abd al-Qadir and Morocco2014

    • 著者名/発表者名
      Tokoro Yuko
    • 学会等名
      KIAS/SIAS : Joint International Workshop "Diverse Approaches to the Muslim People's Life : Sufis, Saint Venerators, and Migrants"
    • 発表場所
      上智大学
    • 年月日
      2014-03-29
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] アブドゥルカーディル・ジャザーイリーにおけるキリスト教と西欧理解2013

    • 著者名/発表者名
      所 木綿子
    • 学会等名
      日本オリエント学会第55回大会
    • 発表場所
      京都外国語大学
    • 年月日
      2013-10-26
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] Between the Understanding about Christianity and French Occupation of Algeria : According to al-Amīr 'Abd al-Qādir al-Jāză' irī'2013

    • 著者名/発表者名
      Tochibori Yuko
    • 学会等名
      SIAS/KIAS : Joint Workshop "Conflicts and Coexistence in the Contemporary Muslim World"
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2013-06-02
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] The Jihad by 'Abd al-Qadir al-Jazairi in Algeira and Territorial Occunation in 19^<th> Century [Poster]2013

    • 著者名/発表者名
      Tokoro Yuko
    • 学会等名
      Fourth International Conference in Lahore New Horizons in Islamic Area Studies
    • 発表場所
      Lahore University of Man agement Sciences (Pakistan)
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

URL: 

公開日: 2014-01-29   更新日: 2024-03-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi