研究課題
特別研究員奨励費
豪州ヒノキ複合種はオーストラリア大陸全域に分布を拡大した系統群であり,砂漠・温帯・熱帯サバンナという多様な気候下で生育している.本研究では,この豪州ヒノキを対象にした生態ゲノミクスを展開することで,本種群における環境適応の遺伝的基盤を解明するとともに,遺伝的適応がその後の集団サイズや生態ニッチの拡大にどのように寄与したのかを解明することを目的としている.平成27年度は前年度までに得られたRNA-seq解析から,同義置換率に対する非同義置換率が高いアウトライヤー遺伝子座について集団リシークエンスを行い,本複合種の適応進化に関与した遺伝子座を抽出することを目的にした.解析の対象としたのは39座のアウトライヤー遺伝子座と9座のコントロール遺伝子座で,これらについてプライマーを設計してBioanalyzerを用いてPCR増幅の確認を行った.PCR増幅を行った後,Fluidigm社のAccess Array Systemを用いることにより,オーストラリア大陸全域から採取した96個体の豪州ヒノキDNAを48座について同時にPCR増幅を行った.得られたPCR産物はデスクトップ型次世代シークエンサーIonPGMを利用し,アンプリコンシークエンスに供した.シークエンスの結果,解析対象とした48遺伝子座のうち26遺伝子座でデータ欠損率の低い多型データを得ることができたが,22遺伝子座については一部の地域に由来する個体でデータが得られず,遺伝的多型の豊富な野生植物で安定して増幅できるプライマーの設計が課題となっている.研究員の所属変更に伴って,本研究は本年度途中で中断することになったが,これまでに多型データを取得できた候補遺伝子群に関する分子進化的解析を進めて,本複合種の適応進化の分子的背景を検証していく予定である.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 4件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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