研究概要 |
球面上のデザインと符号の理論とは球面に「綺麗に」有限個の点を配置することを研究するものであり, 現在も盛んに研究されている. 報告者の研究テーマは, 球面を含む一般のコンパクト等質空間上で「綺麗な」点配置を研究できないかということである. 報告者は今年度の研究において, 4次元球面上のデザインと3次元球面のデザインの"掛け合わせ"として7次元球面上のデザインが得られることを示した. この手法においてはHopf写像と呼ばれる幾何学的に重要な写像を用いた. この研究は今後球面デザインの構成の研究を行う上でも"掛け合わせ"の方法が有効であることを示していると思われる. また, メリーランド大学のWei-Hsuan Yuと共同で, 通常の球面デザインを一般化した概念であるharmonic index t designについて研究し, 球面上の符号理論において有効である半正定値計画法を用いて, tight harmonic index 4 designと呼ばれる特殊な球面デザインの非存在も示した. 本研究は手計算による証明である点と, 球面の次元についてのある無限系列での結果であるという点において, 球面符号の理論において半正定値計画法が有効に機能し得ることを示した重要な証拠となっている.
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