研究課題/領域番号 |
13J06203
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
下村 直樹 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2014年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2014年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 磁気記録 / 電気磁気効果 / モーリン転移 / Cr2O3 / 交換バイアス / 磁気異方性 / ブロッキング温度 |
研究実績の概要 |
本研究では電気磁気(Magneto-electric :ME)効果を有するコランダム型酸化物であるCr2O3薄膜を用いた電界制御磁気記録デバイスの実現に向けた取り組みを行った。α-Fe2O3/Cr2O3積層構造を用いたスピン相関による動作温度向上のために主に二点の研究成果が得られた。 まず、Fe2O3バッファー上に作製したCr2O3膜厚20nmの試料において格子ひずみによる結晶磁気異方性の増加を用いることでTBの増加が得られた。結果、スペーサ層による交換結合エネルギーの低減と組み合わせることで20nmのCr2O3薄膜でも室温付近まで交換バイアス磁界を観測することに成功した。一方で格子歪みにより10%程度ネール温度TNの低下が観測されたが、この低下はスピン相関を利用したTNの向上により充分回復出来るものであるため、格子ひずみも異方性向上の手段として十分使えると考えられる。 また、α-Fe2O3薄膜のモーリン転移温度TMを磁化の電界制御の動作温度以上に高め、垂直スピン配列を高温まで維持することが必要となる。そこでIrを添加して、スピン-軌道相互作用を高めることで、Fe2O3の結晶磁気異方性を向上させることを試みた。メスバウア測定および磁化測定により、1%のIrをドープしたα-Fe2O3薄膜は室温において垂直方向に異方性を有する反強磁性薄膜であることが確認され、少なくとも400K以上にTMが存在する事が分かった。 磁気デバイスへの応用を考える上ではこれらに加えてスピン相関を利用したネール温度の向上が不可欠であり、さらにCr2O3薄膜の膜厚を低減させた上で交換バイアス磁界を発現することが今後最も重要な課題となる。そのため、格子歪みに加えてα-Fe2O3薄膜において得られたIr(5d元素)ドープによる異方性向上といった方法をCr2O3薄膜に対しても適用する必要があると考えられる。
|
現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|