研究課題/領域番号 |
13J06267
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学(英文学を除く)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久保田 麻里 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2015年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2014年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2013年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | モリエール / 性格喜劇 / 理屈家 / 古典主義 / バロック / コメディ=バレエ / 古典演劇 / フランス17世紀 / フランス文学 / 十七世紀 / 近代喜劇 |
研究実績の概要 |
モリエールのコメディ=バレエ作品における作劇法の移り変わりと、その創作量が活動後期に集中しているという事実を考え合わせると、宮廷祝祭での披露を前提とし、音楽・踊り・機械仕掛けなどの台詞以外の手段を多用することでスペクタクル性に溢れ幸福な一体感に満ちた作品を作り上げるための手法が、性格喜劇の創作でも大団円のまとめ方に転用され、主人公である「愚か者」に用意される結末が裁きから赦しへと変化したと分析出来る。その変化がいつ、どのように起こったのかを探るべく『石像の宴』と『人間嫌い』を比較すると、筋の紡ぎ方、主人公の性格造形、主人公の劇世界における影響力、主人公と腹心となる登場人物の関係性、そして腹心とその他の登場人物たちの関係性といった多数の面で、共通する作劇法が用いられている。初期の性格喜劇には確認されないこれらの手法は、『石像の宴』以降の性格喜劇の全作で踏襲されていく。他方で二作品の結末には決定的な違いがあり、前者では主人公が地獄に落ちて皆が満足しているのに対し、後者では友人たちが主人公を救おうとする場面で幕切れる。つまり、性格喜劇の倫理的レベルでの変化は、この二作品の間で、主人公以外の登場人物の動きを変化させるという手段によって起こったのである。性格喜劇の作劇法の変遷を辿ると、「愚か者」を取り巻く他の登場人物の動きが徐々に変化しており、初期の作品には「理屈家」が明白に一人存在していたのに対し、中期以降の作品には、該当する人物がいなかったり、複数の人物が該当したりしている。『石像の宴』において新たな性格喜劇の型が生まれ、『石像の宴』から『人間嫌い』への変化の中に喜劇性の変容の萌芽が芽吹く中で、主人公のアンチテーゼとして生み出された「理屈家」は、主人公と共生する複数または全ての登場人物へと発展的に解消されたと考察される。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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